室町の覇者 足利義満 ─朝廷と幕府はいかに統一されたか

桃崎 有一郎

朝廷の支配者であり、幕府のトップ。その権力の源泉は儀礼の奥義と、無言の恫喝とジョークで、それは天皇までも翻弄した。知られざる義満の正体を深堀する。

室町の覇者 足利義満 ─朝廷と幕府はいかに統一されたか
  • シリーズ:ちくま新書
  • 1,100円(税込)
  • Cコード:0221
  • 整理番号:1471
  • 刊行日: 2020/01/06
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:352
  • ISBN:978-4-480-07279-5
  • JANコード:9784480072795
桃崎 有一郎
桃崎 有一郎

モモサキ ユウイチロウ

桃崎 有一郎(ももさき・ゆういちろう):1978年、東京都生まれ。2001年、慶應義塾大学文学部卒業。2007年、慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学、博士(史学)。現在、武蔵大学文学部教授。専門は、古代・中世の礼制と法制・政治の関係史。著書に『平安京はいらなかった――古代の夢を喰らう中世』(吉川弘文館)『室町の覇者 足利義満――朝廷と幕府はいかに統一されたか』『武士の起源を解きあかす――混血する古代、創発される中世』(ちくま新書)』『「京都」の誕生―― 武士が造った戦乱の都』『平治の乱の謎を解く――頼朝が暴いた「完全犯罪」』(文春新書)などがある。

この本の内容

足利一門大名に丸投げして創立された室町幕府では、南北朝の分断などに後押しされて一門大名の自立心が強すぎ、将軍の権力が確立できなかった。この事態を打開するために、奇策に打って出たのが足利義満である。彼は朝廷儀礼の奥義を極め、恫喝とジョークを駆使して朝廷を支配し、さらには天皇までも翻弄する。朝廷と幕府両方の頂点に立つ「室町殿」という新たな地位を生み出し、中世最大の実権を握った。しかし、常軌を逸した彼の構想は本人の死により道半ばとなり、息子たちが違う形で完成させてゆく。室町幕府の誕生から義満没後の室町殿の完成形までを見通して、足利氏最盛期の核心を描き出す。

この本の目次

規格外の男・足利義満
室町幕府を創った男の誤算―足利直義と観応の擾乱
足利義満の右大将拝賀―新時代の告知イベント
室町第(花御所)と右大将拝賀―恐怖の廷臣総動員
“力は正義”の廷臣支配―昇進と所領を与奪する力
皇位を決める義満と壊れる後円融天皇
「室町殿」称号の独占と定義―「公方様」という解答
「北山殿」というゴール―「室町殿」さえ超越する権力
虚構世界「北山」と狂言―仮想現実で造る並行世界
「太上天皇」義満と義嗣「親王」―北山殿と皇位継承
義持の「室町殿」再構成―調整役に徹する最高権威
凶暴化する絶対正義・義教―形は義持、心は義満
育成する義教と学ぶ後花園天皇―二人三脚の朝廷再建
室町殿から卒業する天皇、転落する室町殿

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