エッフェル塔試論

松浦 寿輝

2008年春、復刊。

万博を成功へと導き、百年余パリの象徴として君臨する塔の歴史を通して、現代の〈イメージ〉と〈記号〉の宿命を精緻に描ききる力作。図版多数。

エッフェル塔試論
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,650円(税込)
  • Cコード:0195
  • 整理番号:マ-15-1
  • 刊行日: 2000/02/08
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:544
  • ISBN:4-480-08541-6
  • JANコード:9784480085412
松浦 寿輝
松浦 寿輝

マツウラ ヒサキ

1954年、東京生まれ。1980年、東京大学大学院仏語仏文学専攻修士課程修了。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授(表象文化論)。詩人、作家、映画評論家でもある。2000年、『花腐し』(講談社)で第123回芥川賞受賞。著書に『表象と倒錯』『エッフェル塔試論』『ゴダール』『Y・死・閾』『映画1+1』(筑摩書房)、『半島』(文藝春秋)、『物質と記憶』(思潮社)、『官能の哲学』(岩波書店)、『冬の本』(青土社)など。

この本の内容

古典的な「表象」の崩壊に代わって「イメージ」の出現という出来事が成立する時点において、恐らくエッフェル塔とは、西欧の表象空間に起きたこの地の竣工の日付をこの認識論的断層の上に重ね合わせることが可能であるように思える。エッフェル塔の伝記を辿ってゆくとき、こうした「近代」的な「イメージ」の生成過程と、それを可能ならしめた文化的・社会的・政治的力学の諸条件が、或る模範的な姿で浮かび上がってくる。近代と表象とをめぐるさまざまな問題を体現した特権的な塔を透徹した論理と輝かしくも華麗なエクリチュールで徹底的に読み解く記念碑的力作。

この本の目次

序章 「無用性」の美学のために
第1部 三百メートルの鉄塔
第2部 階級と地政学
第3部 相似・反復・投射
終章 「近代」あるいは未了の空位期

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