頼山陽とその時代(上)
江戸後期の歴史家・詩人頼山陽の生涯は、病による異変とともに始まった――。山陽や彼と交流のあった人々を活写し、漢詩文の魅力を伝える傑作評伝。
名は襄、字は子成、通称久太郎。安永9年、儒者頼春水の長子として大坂に生まれる。後に、天賦の詩才と史書の叙述で天下に令名を馳せる頼山陽(1780‐1832)である。その一代の文章は、幕末期に尊王攘夷運動の原動力ともなった。作家中村真一郎は、この人物の内面を丹念に掬い上げながら、生涯の全貌と時代の知的風景を余すところなく描き出す。発表後、山陽のみならず、江戸漢詩文の再評価をもたらした傑作評伝。上巻では、精神の異変と、脱藩事件や遊蕩によって始まる山陽の生涯、一族のあり様、西遊中の交際などを扱う。芸術選奨文部大臣賞受賞。
第1部 山陽の生涯(病気と江戸遊学
病気と脱奔
病気その後
遊蕩と禁欲
女弟子たち)
第2部 山陽の一族(父春水
春水の知友
山陽の叔父たち
山陽の三子
三つの世代)
第3部 山陽の交友 上(京摂の友人たち(第一グループ)
京摂の敵対者たち(第二グループ)
西遊中の知人たち(第三グループ))
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