ユダヤ人の起源 ─歴史はどのように創作されたのか

シュロモー・サンド 著 , 高橋 武智 監訳 , 佐々木 康之 翻訳 , 木村 高子 翻訳

〈ユダヤ人〉はいかなる経緯をもって成立したのか。歴史記述の精緻な検証によって実像に迫り、そのアイデンティティを根本から問う画期的試論。

ユダヤ人の起源 ─歴史はどのように創作されたのか
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,980円(税込)
  • Cコード:0122
  • 整理番号:サ-38-1
  • 刊行日: 2017/07/06
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:656
  • ISBN:978-4-480-09799-6
  • JANコード:9784480097996
シュロモー・サンド
シュロモー・サンド

サンド,シュロモー

1946年にオーストリアのリンツで生まれる。その後、両親とともにイスラエルに移住。テルアビブ大学とパリの社会科学高等研究院で歴史を学ぶ。1984年よりテルアビブ大学にて現代ヨーロッパ史を教える。現在、テルアビブ大学名誉教授。専門領域は、フランスのインテレクチュアル・ヒストリー、20世紀の政治史、映画と歴史、ネイションとナショナリズムなど。フランス語・英語・ヘブライ語で多数の著書と論文を発表している。著書に『スクリーンに見る20世紀』『言葉と土地』『歴史のたそがれ』など。

高橋 武智
高橋 武智

タカハシ タケトモ

1935年東京生まれ。東京大学仏文科卒。同大学院で18世紀仏文学・思想を専攻。現在、翻訳家、著述家。主な訳書に『SHOAH』(作品社)『崩壊したソ連帝国』(藤原書店)など。

佐々木 康之
佐々木 康之

ササキ ヤスユキ

1935 年生まれ。元立命館大学文学部教授,フランス語担当。主な編訳書に『クラウン仏和辞典』(三省堂),ダランベール『百科全書序論』(中央公論社『世界の名著35』所収),ルソー『孤独な散歩者の夢想』(白水社『ルソー全集』第2 巻所収),ジャン・シャルダン『ペルシア紀行』(岩波書店)などがある。

木村 高子
木村 高子

キムラ タカコ

仏語・英語翻訳家。フランス国ストラスブール大学歴史学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科考古学専攻修士課程修了。現在,スロベニア在住。主な訳書にピーター・ゼイハン『地政学で読む世界覇権2030』(東洋経済新報社),パラグ・カンナ『「接続性」の地政学』(共訳,原書房)などがある。

この本の内容

二千年にわたる「追放=離郷」、そして約束の地への「帰還」。このユダヤの物語をもとにイスラエルは建国された。だが、そこに歴史的正当性はあるのか、そもそも、ユダヤ人とは何者か。著者は精緻な検証作業で、イスラエルにおける集団的アイデンティティを根底から突き崩す。民族の神話と出自は近代の創作であると暴露され、現国家に対し再出発を迫る。どうすればイスラエルは未来を拓くことができるのか。タブーを破り、イスラエル本国をはじめ、世界各国で反響を巻き起こした画期的大著、ついに文庫化。

この本の目次

第1章 ネイションをつくりあげる―主権と平等(「用語の検討」―プープル(民族)とエトニー(種族)
ネイション―閉じ込め、境界を定める ほか)
第2章 「神話=史」―はじめに、神がその民を創った(ユダヤ人の時間の素描
「神話=史」としての旧約聖書 ほか)
第3章 追放の発明―熱心な布教と改宗(紀元七〇年
追放なき離郷―不分明な地域における歴史 ほか)
第4章 沈黙の地―失われた(ユダヤの)時を求めて(「幸福のアラビア」―ヒムヤル王国のユダヤ教への改宗
フェニキア人とベルベル人―謎の女王カーヒナ ほか)
第5章 区別―イスラエルにおけるアイデンティティ政策(シオニズムと遺伝
「科学的な」あやつり人形と人種差別的な人形つかい ほか)

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