カニバリズム論
根源的タブーの人肉嗜食や纏足、宦官・・・。目を背けたくなるものを冷静に論ずることで逆説的に人間の真実に迫る血の滴る論文集。解説_山田仁史
カニバリズム(人肉嗜食)は人類の根源的タブーのように思われながら、実のところその痕跡は古来より無数に残されてきた。著者の専門は中国でありながら、古今東西の記録・小説を博捜し、ときに舌鋒鋭く、ときに諧謔と皮肉をもってカニバリズムを縦横無尽に論じる。人間の薄っぺらな皮膚を両手で思い切りめくり上げ、曝し、目を背けたくなるようなものを直視することで、「近代合理主義精神」なるものの虚構を暴き、「良識」を高らかに嗤いとばす。人肉嗜食、纏足、宦官…。血の滴るテーマで人間の真実に迫る異色の作品。
1(カニバリズム論―その文学的系譜
迷宮としての人間―革命・悪・エロス
“食”の逆説―開高健氏「最後の晩餐」をめぐって
中国人における血の観念)
2(魔術における中国―仏陀とユートピア
中国残酷物語―マゾヒズムの文化史
虚構と遊戯―中国人の性格について)
3(王国維とその死について―一つの三島由紀夫論のために
恐怖の本質―アンドレーエフ「血笑記」と魯迅「狂人日記」)
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