インドの思想
多民族、多言語、多文化。これらを併存させるインドという国を作ってきた考え方とは。ヒンドゥー教や仏教等、主要な思想を案内する恰好の入門書。
長い歴史と多数の異なった民族から成り、広大な地域の中で様々な伝統文化を併存させている国インド。日本人には想像もできないほど人々の考え方の振幅は大きいが、その精神的豊かさには瞠目すべきものがある。多様でありながらインドの底流をなす思考方法とは何か。本書では、国名「インド」の由来やインダス文明の興隆から説き起こし、ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教、『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』の二大叙事詩、論理学など、インドを特徴づける主要な思想のエッセンスを、仏教・インド哲学研究の泰斗が解説する。
総論「インドの思想」
インダス文明とアーリア人のインド定住
ヴェーダの思想
ウパニシャッドの思想
唯物論・決定論・懐疑論―ブッダに先行する思想家たち
ジャイナ教の思想
ゴータマ・ブッダの仏教―初期仏教思想
アショーカ王の理想―人はなんの目的で生きるか?チャトル・ヴァルガ(四目的)とアーシュラマ(四住期)説
叙事詩の世界(1)―『マハーバーラタ』 『バガヴァッド・ギーター』のバクティ思想
叙事詩の世界(2)―『ラーマーヤナ』 最高神のアヴァターラ(化身)とクリシュナ伝説
大乗小乗の興起
哲学的思索の進化―サーンキヤ形而上学とヴァイシェーシカ自然哲学
論理学と言語分析―ニヤーヤ学派と仏教の論理学およびミーマーンサー学派の祭事哲学
ヨーガの思想と実践
ヴェーダーンタ思想とヒンドゥー教―近代インド思想への架け橋
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