新・ちくま文学の森10 どこか遠くへ ─どこか遠くへ
出発まで 山下清/「日日雑記」より 武田百合子/秋の彷徨 辻まこと/爪哇 金子光晴/ウェイクフィールド ホーソーン 他<<↓>>(安野光雅)
- シリーズ:シリーズ・全集
- 1,922円(税込)
- Cコード:0393
- 整理番号:
- 刊行日:
1995/06/22
※発売日は地域・書店によって
前後する場合があります - 判型:四六判
- ページ数:416
- ISBN:4-480-10130-6
- JANコード:9784480101303
- 在庫 ×
日本奥地紀行より(イサベラ・バード)
出発まで(山下清)
日日雑記より(武田百合子)
流浪の手記(深沢七郎)
一日の王(尾崎喜八)
秋の彷徨(辻まこと)
爪哇(ジャワ)(金子光晴)
豆の葉と太陽(柳田国男)
五足の靴より(北原白秋ほか)
飛騨の秘密(坂口安吾)
房総鼻眼鏡(内田百(けん))
旅商人の話(ディケンズ)
黒んぼの人形(オコナー)
なにかが起こった(ブッツァーティ)
ウェークフィールド(ホーソーン)
竹青(太宰治)
心願の国(原民喜)
酒の精(吉田健一)
頻伽(渋沢龍彦)
2009.10.22 義翁
澁澤龍彦の『高丘親王航海記』は、私にとって大切な特別な本。文庫版も有るというのに、わざわざ函入りの立派な装丁の単行本を買い求めてしまったほど。この『どこか遠くへ』には、その『高丘親王航海記』の最終章にあたる『頻伽』が収められている。哀しいというのとはちょっと違う、独特の読後感をのこす稀代の物語だ。
不思議なことに好きな話というのは何度読んでも楽しめる。飽きもしないし・・・ウンザリなんてしたことがない。
目次を見て、この本に『頻伽』が収められているのを知って、「ナンダ『頻伽』カ、コンナノ、モウトックニ読ンデルヨ」などとは思わず、かえって得した気分。むしろ「大好きな『頻伽』をまた読み返す口実(?)が出来たぞ、シメシメ・・・」といった気分で、わくわくしてしまったくらいです。
ほかにも収録作の内、山下清の『出発まで(ヨーロッパぶらりぶらり)』や、内田百閒の『房総鼻眼鏡(第三阿房列車)』なども、すでに文庫本で何度も何度も読み返している。
なのに、ここでまた読んで、やっぱりウキウキ楽しいし、あらためて新鮮に感じることができました。いつも手元にして読んでいる馴染みある文庫本とは違う本で読んだから、当然、文字の大きさや組み方も違うわけで、それが影響して新鮮に感じるのだろうか?・・・確かに多少は影響しているのかもしれないけれども、やはり、これは文章そのものの持つちからによるところが大きいのだろうと思います。
何度も読んでいるのに読み返すたびに新しい発見がある。・・・使い古された言葉なのかもしれませんが、本当にそうなんだから、こう書くよりほかにありません。
・・・本は読み返す時にこそ、その真価を発揮する。これが私の持論なのですが、はからずもこの本でそれを再確認することができました。
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