新・ちくま文学の森12 大いなる自然 ─大いなる自然

鶴見 俊輔 編集 , 安野 光雅 編集 , 森 毅 編集

赤蛙 島木健作/ヘビの神秘 ハドソン/雷見舞 岡本綺堂/青春 コンラッド/沙漠の情熱 バルザック/香玉 蒲松齢/かげろう紀行 花田清輝 他

新・ちくま文学の森12 大いなる自然 ─大いなる自然
  • シリーズ:シリーズ・全集
  • 定価:本体1,748円+税
  • Cコード:0393
  • 整理番号:
  • 刊行日: 1995/08/23
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:四六判
  • ページ数:400
  • ISBN:4-480-10132-2
  • JANコード:9784480101327
鶴見 俊輔
鶴見 俊輔

ツルミ シュンスケ

1922−2015年。哲学者。1942年、ハーヴァード大学哲学科卒。46年、丸山眞男らと「思想の科学」を創刊。65年、小田実らとベ平連を結成。2004年、大江健三郎らと「九条の会」呼びかけ人となる。著書に『アメリカ哲学』『限界芸術論』『アメノウズメ伝』などのほか、エッセイ、共著など多数。『鶴見俊輔集』全17巻もある。

安野 光雅
安野 光雅

アンノ ミツマサ

1926年島根県津和野生まれ。画家・絵本作家として、国際アンデルセン賞、ケイト・グリーナウェイ賞、紫綬褒章など多数受賞し、世界的に高い評価を得ている。主な著作に『ふしぎなえ』『ABCの本』『繪本平家物語』『繪本三國志』『安野光雅文集』(全6巻)『片想い百人一首』などがある。(写真:広石修)

森 毅
森 毅

モリ ツヨシ

1928年東京生まれ。東京大学数学科卒業。京都大学教養部教授を長く務める。著書に『まちがったっていいじゃないか』(ちくま文庫)、『数学の歴史』(講談社学術文庫)、『対談 数学大明神』(安野光雅氏と共著、ちくま学芸文庫)ほか多数。2010年7月逝去。

この本の目次

岩 オマハ族の歌
御神木の切口(尾崎一雄)
ボライ(タゴール,ラビンドラナート)
赤蛙(島木健作)
冬を越したハチドリ(サローヤン,ウィリアム)
ヘビの神秘(ハドソン,ウィリアム・ヘンリ)
住んだ場所とその目的(ソロー,ヘンリー・デイヴィッド)
山・雪・星(野尻抱影)
ワサビ盗人(井伏鱒二)
槍ケ岳紀行(芥川龍之介)
山(今西錦司)
雷見舞(岡本綺堂)
生神(小泉八雲)
青春(コンラッド)
人間の土地より(サン・テクジュベリ)
サハリン島より(チェーホフ)
イヴァン・ベリンのあやまち(ヨフコフ)
ミソサザイの神が語った話(山本多助)
沼(吉田健一)
かげろう紀行(花田清輝)

読者の感想

2009.10.21 義翁

 自然について何か書け、と言われたとする。・・・ウウム、これは難題です。正直言って、私には、とてもじゃないが書けません。途方にくれてしまいます・・・。
 自然は私ひとりが対するにはあまりにも大きく堂々としている。いや、たとえ私が二人になっても、三人になっても、百人でも千人でも、きっと変わりはないだろう。だから、自然についてだなんて、何から書き出せばいいのか、判らない。


 ・・・魅せられたり、恐れたり、すがすがしかったり、苦しかったり、時にはとても親しく感じることもあって・・・。ほれぼれと愛するごとく、敬うごとく・・・。神々しいその一方では、凄まじく、おぞましく、いまいましく・・・。かと思うと、眠たくなるくらい単調な姿も見せたりするし、謎めいたものも孕んでいるし・・・。いろいろ思い浮かびはするのだけれど、とかく自然を前にしては何から手をつければ書き出せるのか、と思う。

 そんな私にひきかえ、本書に収録されている先人たちは、たしかな言葉で、それぞれがそれぞれの角度から、自然という難物を捉え、表現し、あざやかに書ききっている。(そもそもワタシなんぞと文章のプロとを引き比べようなんてのがマチガイの元。思いあがりも甚だしいわけでありますが・・・)スゴイナァ、サスガダナァ、と達意の文章の連続に舌を巻くことしきり。
 そして、こうも思う。
 ・・・どうやったらこんなふうに書けるんだろう・・・。
 本書の中にそのヒントがあるはずだ。そう考えて、最後まで読み通し、収録作の共通点はなんだったかな、と思い返してみると、“素直”という言葉が思い浮かんだのでありました。あの芥川龍之介ですら、その『槍ケ嶽紀行』では装飾に凝るようなこともせず書いている。自然が相手では、趣向も、どんでん返しも、こざかしいだけ、ということか。 
 自然を書くには、なるたけそれに逆らわず、ウソのないように、正直に素直に書こうとするのが一番良い方法らしい・・・。
 なァんだ、そんなことか、と一瞬思うけど、でも、私の前に果てしなく拡がる大いなる自然は依然として揺るがない。こちらは口をあんぐり開けたまま、ただただ佇むことができるだけ。

 せっかく文章の奥義(?)を学べても、相変わらず私には「自然について」なんて一行だって書けはしないのでありました。

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