室生犀星集 童子 文豪怪談傑作選
美しく、哀しく、
そして妖しい。
犀星文学の真骨頂。
失った幼子への想い、妻への鬱屈した思い、幻惑される都市の暗闇……すべてが幻想恐怖譚に結実する。身震いするほどの名作を集めた珠玉の1冊。
金魚の少女と「をぢさま」の妖美な交歓を描いた名作「蜜のあはれ」で、新世代の読者を瞠目せしめた室生犀星の文学には、森茉莉をはじめとする熱烈な信奉者も数多い。早世した愛児との死後の交流を哀切に描いた一連の幽霊譚、故郷金沢の天狗や水妖の話、モダン都市浅草の闇に明滅する電気娘の妖異など、不世出の詩人作家・犀星が遺した怪異譚の傑作を集大成。全集未収録・初文庫化作品を満載。
童話
童子
後の日の童子
みずうみ
蛾
天狗
ゆめの話
不思議な国の話
不思議な魚
あじゃり
三階の家
香爐を盗む
幻影の都市
しゃりこうべ
2008.9.27 仲町六絵
(東先生・金井田先生の対談を読んで)
『童子』を読み終えたとき、「表紙を描かれた方も、作品を読んでいるのだな」と実感しました。悲しんでいる大人よりもずっと大人らしい、それでも幼い顔は、作品を読んでいなければ出てこない。だから、金井田先生が、じっくりと作品を読んで表紙を描かれたことを知って感動しました。
バナナの葉の×が視線を集める形になっていると知り、なるほど面白い!と思いました。絵が専門でなくても、こういう技術的な裏話がわかると楽しいです。
東先生のされた文体の話、リアルに書いたかと思うとふっとあっちに行っちゃう、という犀星の特徴は、この対談で初めて気付きました。確かに、『後の日の童子』の『おのおの影をひきながら在るままに在った』は、突然どこかに放り出された感じがします。
また、『童子』はながらく収録されず、作者に思うところがあったのでは、というお話にしんみりしました。
絵を鑑賞する、怪談をたのしむ、作家について知る、どの点でもためになる対談でした。
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