痕跡本の世界 ─古本に残された不思議な何か
「痕跡に驚愕のドラマあり。古本道の新大陸発見だ!」岡崎武志
古本には前の持ち主の書き込みや手紙、袋とじなど様々な痕跡が残されている。そこから想像がかきたてられる。新たな古本の愉しみ方。帯文=岡崎武志
古本の中には、元の持ち主によるメモ、付箋などが残っていたり、手紙や写真が挟まっているものがある。著者は様々な痕跡からドラマを夢想する。童話集に挟まれたラブレターから二人のその後を、女学生の名前から百合的なドラマを…。そして痕跡本を持ち主に返す旅に著者は出かけ、持ち主に会うことに!「痕跡本」を通して本と人との関係性を考える一冊。
第1章 痕跡本を語る(あこがれのかたち―『クリック―佐藤雅彦超・短編集』
愛情の上書き―『アンガスとねこ』 ほか)
第2章 痕跡本を聴く(不器用な先輩は、ただ無言で本を置く―『演技入門』
田舎者の苦悩―『管理人の飼猫』 ほか)
第3章 痕跡本、様々なかたち(裏返し本のコワさ
本をカスタマイズする人々 ほか)
第4章 痕跡本、それから(「痕跡」は、本が一番面白い
自費出版本について ほか)
2015.7.03 クロメイボ
おもしろい。
痕跡を楽しむ、という姿勢にグッときます。
他人の痕跡って、怨念がこもっていそうでちょっと怖い面もあるけれど、怖いものみたさもあって、推理したり妄想したり、オモシロイですね。
うちの本棚にも何冊か痕跡本がありますよ。
一番すさまじかったのは、中身をよく確かめないで入手した本で、家に帰って開いてびっくり。
ほとんどのページにおびただしい数の体毛がピタピタ貼り付けられていたのでした。
たぶん鼻毛・・・もしくは眉毛、まつ毛・・・だと思うのですが、多いページだと20本近く、抜いては貼り付け、抜いては貼り付けしたらしいのです。
付箋のかわり?
アンダーラインのつもり?
それとも毛を抜きながらじゃないと集中して読めない人?
それにしても、よほど鼻が毛深い人だったんだな・・・。
等々想像は膨らみつつも、気味が悪くて鳥肌がゾワゾワ立つので、ティッシュとツマヨウジとセロテープで綺麗に掃除してしまいました。
『痕跡本』という楽しみ方を知った今、あれはあのまま毛だらけの状態で保存しておくべきだった、と後悔しきりです。
(でも、やっぱりキモチわるいかな・・・)
なんだか本の感想でなくて、個人的痕跡本体験談みたいになってしまいましたが、貧弱なウチの蔵書にすらこんなインパクト大な奴が居るんだから、きっと探せば世の中にはまだ沢山の驚くべき痕跡本があるはずで、続編が出たらきっとそれもまた面白いに違いないのです。
期待してます。
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