表題作のほか、二銭銅貨(黒島伝治)/蟹工船(小林多喜二)など収録。高校国語教科書に準じた傍注や図版付き。併せて読みたい名対談も収めた。
佐多 稲子
サタ イネコ
佐多 稲子(さた・いねこ):小説家。1904年、長崎県生まれ。15年、一家をあげて上京。その後、キャラメル工場、料理屋、日本橋丸善、カフェーなどで働く。28年、第一作「キャラメル工場から」を発表。その後、労働、共産党の地下活動、戦争、夫婦や家族などについて、自らの経験などに基づき数多くの作品を発表した。著書に『私の東京地図』、『樹影』(野間文芸賞)、『時に佇つ』(川端康成文学賞)、『夏の栞』(毎日芸術賞)〔以上、講談社文芸文庫〕などがある。98年没。
これまで高校国語教科書に掲載されたことのある、プロレタリア文学のアンソロジー。教科書に準じた注と図版を付した。理解を深めるプロレタリア文学についての対談も収録。
セメント樽の中の手紙(葉山嘉樹)
二銭銅貨(黒島伝治)
キャラメル工場から(佐多稲子)
蟹工船(小林多喜二)
菊の花(中野重治)
歌声よ、おこれ(宮本百合子)
作者について(嶋田直哉)
プロレタリア文学論(芥川龍之介)
中野重治『愛しき者へ』を読む(鶴見俊輔
松尾尊〓)
「蟹工船」の元となった「博愛丸事件」を伝える新聞記事
小林多喜二「蟹工船」草稿ノート(部分)
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