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ちくま文庫

トラウマ文学館

——ひどすぎるけど無視できない12の物語

大好評の『絶望図書館』第2弾! もう思い出したくもないという読書体験が誰にもあるはず。洋の東西、ジャンルを問わずそんなトラウマ作品を結集!

定価

1,100

(10%税込)
ISBN

978-4-480-43562-0

Cコード

0193

整理番号

-71-2

2019/02/07

判型

文庫判

ページ数

400

解説

内容紹介

誰しも、子供の頃などに読んで、トラウマのようになってしまっている物語があるもの。タイトルも作者も忘れてしまっても、物語の肝心なところは、忘れようにも忘れられない。そして、もしかすると、それを読んだことが、今の自分に大きく影響しているのかもしれない…。そんな物語ばかりが集めてある文学館。ここを訪れてしまったら、出てくるときには、もう前と同じ自分ではいられない…。

目次

トラウマ文学館 ご注意事項

第一展示室「子どもの頃のトラウマ」
[とりかえしのつかないことが現実に起きるというトラウマ]
少女漫画棚
はじめての家族旅行 直野祥子

[他の人たちが楽しそうなときに自分は倒れそうというトラウマ]
児童文学棚
気絶人形 原民喜

第二展示室「思春期のトラウマ」
[大人の執着や妄念が理解できないというトラウマ]
韓国文学棚
テレビの受信料とパンツ 李清俊(イ・チョンジュン)[斎藤真理子 初訳]

[アイデンティティーのゆらぎというトラウマ]
SF棚
なりかわり フィリップ・K・ディック[品川亮 新訳]

第三展示室「青年期のトラウマ」
[理解できない出来事が起きうるというトラウマ]
追いかけられホラー棚
走る取的 筒井康隆

[どんなに頑張ってもむくわれないというトラウマ]
現代文学棚
運搬 大江健三郎

第四展示室「大人になって読んでもトラウマ」
[次の瞬間、人は何をするかわからないというトラウマ]
アメリカ南部文学棚
田舎の善人 フラナリー・オコナー[品川亮 新訳]

[何を考えているかわからない人の内面を知るというトラウマ]
昭和文学棚
絢爛の椅子 深沢七郎

第五展示室「中年期のトラウマ」
[秘密を打ち明けられることの怖さというトラウマ]
ロシア文学棚
不思議な客(『カラマーゾフの兄弟』より) ドストエフスキー[秋草俊一郎 新訳]

[動物と心がかよってなどいないというトラウマ]
劇画棚
野犬 白土三平

第六展示室「老年期のトラウマ」
[ふらふらと死に誘いこまれそうになるというトラウマ]
明治文学棚
首懸の松(『吾輩は猫である」より) 夏目漱石

[逃げ出すべきなのに自分の居場所に戻ってきてしまうというトラウマ]
ソビエト文学棚
たき火とアリ ソルジェニーツィン [秋草俊一郎 新訳]

喫茶室TRAUMA番外編
誰も正体をつきとめられなかった幻のトラウマドラマ

あとがきと作品解説

著作者プロフィール

頭木弘樹

( かしらぎ・ひろき )

頭木 弘樹(かしらぎ・ひろき):文学紹介者。筑波大学卒。大学三年の二十歳のときに難病になり、十三年間の闘病生活を送る。そのときにカフカの言葉が救いとなった経験から、2011年『絶望名人カフカの人生論』(飛鳥新社/新潮文庫)を編訳、10万部以上のヒットとなる。さらに『絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ 文豪の名言対決』(草思社文庫)、『ミステリー・カット版 カラマーゾフの兄弟』(春秋社)を編訳。著書に『食べることと出すこと』(医学書院)、『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』(ちくま文庫)、『絶望読書』(河出文庫)、『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』(春秋社)、『自分疲れ』(創元社)。ラジオ番組の書籍化に『NHKラジオ深夜便 絶望名言』(飛鳥新社)。名言集に『366日 文学の名言』(共著、三才ブックス)。編者を務めたアンソロジーに『絶望図書館』『トラウマ文学館』(共にちくま文庫)、『絶望書店 夢をあきらめた9人が出会った物語』(河出書房新社)、『ひきこもり図書館』(毎日新聞出版)がある。NHK「ラジオ深夜便」の『絶望名言』のコーナーに出演中。日本文藝家協会、日本うんこ文化学会会員。

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