「身体を売る彼女たち」の事情――自立と依存の性風俗

なぜ彼女たちは、JKリフレやデリヘルで働くのか?

生活保護費削減で機能しない公助

自己責任論と感情論に満ちた社会——

その狭間にあるグレーな業界に落ち込んだ彼女たちの

かすかな声を拾い上げた圧巻のルポルタージュ!

目次

はじめに

「JKリフレ」という駆け引きの世界


1.「いくらで」「どこまで」やるかは、女性が決める

「JKに限りなく近い生き物たち」の集まる小部屋/派遣型リフレ=性風俗のアンチテーゼ/二次情報で塗り潰された世界/「未成年、メッチャ怖いです」


2.「少女」と「大人」の狭間にある金脈

「清楚系ビッチ」かく語りき/「自分のやっていることをあまり意識すると病んでしまう」 /「自分を売って何が悪いの?」/リフレの世界で迷うみすずさん(十八歳)/「ちゃんとお金をくれれば、頑張れる」/「自分はリフレにはあまり向いていない」/「見えない魔球」をどう打ち返す?


3.JKリフレ嬢の実態

立ちはだかる「二十歳の壁」/「彼女たちが一番欲しがっているもの」を探す/「ストーカーされることもサービスの一部」と語るひなさん(二十歳)/関西から出稼ぎに来ているゆずさん(十九歳)/「釣り広告」に騙されて参入したゆみかさん(二十歳)


4.「楽屋」に集う彼女たち

二次情報を排除し、一次情報ベースで考える/「普通の仕事に戻れる自信がない」/感情論に基づく規制、空振りし続ける啓発活動/必要なのは、一次情報に基づく試行錯誤

「風俗嬢」はこうして生まれる


1.生活保護はデリヘルに勝てない?

隠れシングルマザーと風俗/人生の分岐点/なぜ生活保護はデリヘルに敗北するのか/未婚の妊婦


2.家族から逃れるために

とにかく親から逃げたい/家族が「負債」になる/家族偏重の弊害/自宅よりも待機部屋が落ち着く/交際相手からのDV/男性側の事情


3.「寮完備」「即日入居可能」に惹かれる理由

彼女たちを苦しめる、住まいの貧困(ハウジング・プア)/「ハウジングファースト」の重要性/ハウジングファーストの先駆け


4.昼の仕事からこぼれおちる

中年女性のワーキングプアとデリヘル/「水」から始まり「風」に流れていく仕組み/ワーキングプア×ハウジングプア

5.働くから病むのか? 病んだから働くのか?

障害者雇用枠に適応できず、風俗の仕事を選ぶ/「性風俗で働くからメンタルを病む」のではない/福祉的就労は性風俗に敗北した?


6.すべてを解決してくれる仕事

排除の連鎖が、多重債務の女性を生み出す/福祉でカバーできない「グレーな困難」/黒にも白にもなれない/性風俗で働く女性=社会課題を体現した存在

デリヘルの居心地がよい理由


1.彼女たちを守る「見えない」事務所

見た目はIT企業/待機部屋百景/独特の居場所感/「店をやめてから居場所がなくなった」/「居場所」の担い手①:店長/「居場所」の担い手②:女性スタッフ/「居場所」の担い手③:男性スタッフ/相手の立場を考えたコミュニケーション/「居場所」の担い手④:情報サイトの運営会社/昼と夜を行き来する、一般企業の会社員/「居場所」の担い手たちの背景にあるもの


2.「助け合い」の果てに

タイムライン上での助け合い/「搾取モデル」ではなく「共助モデル」で理解せよ/搾取よりも恐ろしい共助の闇

風俗で働くことの本当の怖さ


1.共助の中で生みだされる落とし穴

いびつな共助が生み出す「マイルドな人身売買」/箔をつけるためAVに出演


2.自分も外の世界も透明になる

主体性の欠如がもたらす泥沼/主体性や当事者意識を希薄化させる磁場/当事者意識を持たない方が稼げる?/あらゆるものが「見えなくなる」世界/見えない困難を「見える化」する


3.「すべて現金化できる」という魔力

あらゆるものを「現金化」できる世界/現金化の果てにメンタルを壊した女性/仕事で病むのではなく、「お茶」で病む/自己責任思考 に囚われた彼女たち/性感染症も自己責任?/自己責任思考と本番


4.消えない過去から逃げられない

消えない過去と消せない画像/止められないネット上の誹謗中傷/誹謗中傷に耐えられる人はいない/やめた後も落ち着けない/アウティングのターゲットになる/税金と社会保険の壁


5.客と付きあったら、こうなった

直引きこそが最強の収入?/子どもの認知問題/彼女たちが直引きに走る理由


6.奈落の底で奪われ続ける彼女たち

現金化の果てに待ち構える奈落/奈落のシンデレラ/「正しさ」という病/福祉と風俗の狭間の奈落/社会的に丸裸にされるよりも、仕事で裸になる方がマシ/生活保護のパラドックス


7.子どもたちへの「貧困の連鎖」を防ぐために

「いるはずがない場所」にいる子どもたち/夜間保育とデリヘル/母子でデリヘル勤務/「彼女たちの欲しい答え」は、誰にも用意できない

ライ麦畑のサバイバル・ガイド


「JKビジネス」スタディツアー/「JKビジネス」的な社会現象にどう向き合っていくか/繰り返される「届かない啓発」/「関所」を探し出せ/マンガでわかりやすく解説/彼女たちは「搾取の被害者」なのか?/彼女たちが求めるのは、「正解」ではなく「納得解」/「ライ麦畑のキャッチャー」であり続けるしかない?/「許さない」から「ハームリダクション」へ/「負けない福祉」をつくるために/待機部屋での医療相談/よりマシな「いびつさ」をデザインするために

あとがき

坂爪真吾(さかつめ・しんご)

1981年新潟市生まれ。東京大学文学部卒。一般社団法人ホワイトハンズ代表理事。新しい「性の公共」を作る、という理念の下、重度身体障がい者に対する射精介助サービス、風俗店で働く女性の無料生活・法律相談事業「風テラス」など、社会的な切り口で現代の性問題の解決に取り組んでいる。著書に『性風俗のいびつな現場』『男子の貞操』(ちくま新書)『はじめての不倫学』(光文社新書)『見えない買春の現場』(ベスト新書)『セックスと障害者』(イースト新書)他多数。
一般社団法人ホワイトハンズ 公式HP
「風テラス」公式HP
坂爪氏 twitterアカウント @whitehands_jp

坂爪真吾

「身体を売る彼女たち」の事情 ――自立と依存の性風俗

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ISBN:978-4-480-07181-1/定価:本体880円+税
288頁/ちくま新書

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坂爪真吾

性風俗のいびつな現場

熟女専門、激安で過激、母乳が飲めるなど、
より生々しくなった性風俗。
そこでは、どのような人たちが、
どのような思いで働いているのか。
その実態に追う。

ISBN:978-4-480-06868-2/定価:本体820円+税
256ページ/2016年1月6日刊行/ちくま新書

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