さまよえる自己 ─ポストモダンの精神病理
「歴史の終わり」を
一歩踏み出せ!
「自己」が最も輝いていた近代が終焉した今、時代を映す精神の病態とはなにか。臨床を起点に心や意識の起源に遡り、主体を喪失した現代の病理性を解明する。
今、「自己」は大きな岐路に立たされている。「自己」が最も輝いていた近代(モダン)は終焉し、危険を孕みつつ必要とされた青年期もその役割を終えた。「自己」はこの先、どこへ向かうのだろうか。心や意識の起源に遡り、言語や神話の意味を読み解きながら、メランコリー、スキゾフレニアなど臨床での知見を踏まえ、深い思考を紡いで到達したポストモダンの精神病理学。
第1章 〇・五秒の闇―いかにして意識は立ち上がるのか
第2章 世界が割れ、自己が生まれる―まなざしの到来
第3章 言語のみる夢―他者の呼びかけ
第4章 ピュシスとノモス―はじめに何が廃棄されたのか?
第5章 モダンとは何か―個の系譜学
第6章 メランコリー―死せる母
第7章 スキゾフレニア―最後に起源が目覚める時
第8章 さまよえる自己
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