乱歩とモダン東京 ─通俗長編の戦略と方法

藤井 淑禎

一九三〇年代の華やかなモダン東京を描き、読者の憧れをかきたてた江戸川乱歩。都市の魅力で大衆の心をつかむ、その戦略を解明する。

乱歩とモダン東京 ─通俗長編の戦略と方法
  • シリーズ:
  • 1,650円(税込)
  • Cコード:0395
  • 整理番号:
  • 刊行日: 2021/03/15
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:四六判
  • ページ数:240
  • ISBN:978-4-480-01727-7
  • JANコード:9784480017277
藤井 淑禎
藤井 淑禎

フジイ ヒデタダ

藤井 淑禎(ふじい・ひでただ):1950年生まれ。立教大学名誉教授。立教大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。専門は近現代日本文学・文化。著書『乱歩とモダン東京』(筑摩選書)、『純愛の精神誌』(新潮選書)、『清張 闘う作家』(ミネルヴァ書房)、『漱石文学全注釈――こころ』(若草書房)、『名作がくれた勇気』(平凡社)、『水上勉』(名古屋大学出版会)など。

この本の内容

江戸川乱歩の作品は、戦前の同時代においては「通俗長編」で圧倒的な人気を集めた。『蜘蛛男』に始まる『黒蜥蝪』『魔術師』『吸血鬼』『人間豹』『黄金仮面』のような怪人対名探偵明智小五郎の冒険活劇である。そこには乱歩の密かな戦略があった。大衆読者のあこがれをかきたてるような一九三〇年代のモダン東京の華やかな部分を活写し、見事に作品展開に生かしたのである。これまで研究されてこなかった通俗長編の中に、大衆の心をつかむ仕掛けとしての大東京の描写を読みといていく。

この本の目次

通俗長編と『探偵小説四十年』
あこがれの文化アパート
帝都復興と昭和通り
京浜国道のカーチェイス
遊園地の時代―鶴見遊園と花月園
巨大ランドマークの迷路―国技館
プチホテルの愉楽
モダン文化住宅の新妻
大東京の郊外
“近代家族”の誕生
戦略としての土蔵
乱歩邸が乱歩のものとなるまで

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