南北戦争を戦った日本人 ─幕末の環太平洋移民史
米国公文館の記録によると南北戦争に日本人二名が従軍したという。鎖国下の日本を離れ、アメリカに渡った彼らの人物像と消息を追う、一九世紀の日本人移民の群像。
南北戦争の兵役記録には二名の日本生まれの兵士の名がある―サイモン・ダン、ジョン・ウィリアムズ。英語名の彼らは誰なのか?なぜアメリカにいたのか?その人物像は?人の移動が厳しく制限されていた日本を離れ、アメリカに生きた/生きねばならなかった彼らの消息を、日米両国の資料から丹念に探査する。漂流民、密航者、あるいは幕府使節の脱落者…海を渡った日本人移民の歴史と一九世紀中頃のアメリカ社会史が、アメリカ戦史上最大の死者を記録した南北戦争で交差する。
序章 日系アメリカ人二世テリー・シマとの出会い―はじめに
第1章 南北戦争とマイノリティ―アジア・太平洋系移民
第2章 日本生まれの二人に近づく―アメリカでの記録から
第3章 漂流者・密航者たち
第4章 幕末の日本人の移動―使節団と密航者との接点
終章 旅の終わりに
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