ケアしケアされ、生きていく

竹端 寛

ケアは「弱者のための特別な営み」ではない。あなたが今生きているのは赤ん坊の時から膨大な「お世話」=ケアを受けたから。身の回りのそこかしこにケアがある。

ケアしケアされ、生きていく
  • シリーズ:ちくまプリマー新書
  • 946円(税込)
  • Cコード:0236
  • 整理番号:438
  • 刊行日: 2023/10/04
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:208
  • ISBN:978-4-480-68463-9
  • JANコード:9784480684639
竹端 寛
竹端 寛

タケバタ ヒロシ

1975年京都市生まれ。兵庫県立大学環境人間学部准教授。専門は福祉社会学、社会福祉学。主著は『「当たり前」をひっくり返す―バザーリア・ニィリエ・フレイレが奏でた「革命」』、『権利擁護が支援を変える―セルフアドボカシーから虐待防止まで』(共に現代書館)、『枠組み外しの旅―「個性化」が変える福祉社会』(青灯社)、『家族は他人、じゃあどうする?―子育ては親の育ち直し』(現代書館)など。

この本の内容

他人に迷惑をかけていい!弱者のための特別な営みではない。社会の抑圧や呪縛から抜け出して、お互いがケアし合う関係になろう。

この本の目次

第1章 ケア?自分には関係ないよ!(「迷惑をかけるな憲法」
しんどいと言えない
自分自身を取り戻す
面倒な中に豊かさがある)
第2章 ケアって何だろう?(確かに面倒なのだけれど
自分へのケアと他人へのケア
他者へのケアの前に
互いが気にかけあう)
第3章 ケアが奪われている世界(ケアのないわたし
「昭和九八年」的世界
標準化・規格化の「大成功」の陰で
ケアの自己責任化を超えて)
第4章 生産性至上主義の社会からケア中心の社会へ(生産性とケア
責任の共有化で楽になる
共に思い合う関係性
ケア中心の社会へ)

読者の感想

2023.11.08 A.N

私にも6歳の娘がいます。仕事は精神疾患などがある方々の支援員をしています。タイトルに惹かれて読みはじめました。読んだ感想としては、子どもとのやりとりで面倒くさいことがあることがどれだけ大切なのかということに気付かされたような気がします。娘は自分と違う存在であり、面倒くさい=手間をかけてお互いが対話していくことで、娘の存在を受け入れる最大級のメッセージを送れると思うと同時に、自分自身が面倒くさいと思う理由を深堀りしていったら自己理解が深まり生きやすくなるのではと感じました。また、仕事上で支援員として、苦しみに耳を傾けていますが、その苦しみとは著者の言葉を借りると「人に迷惑かけるな憲法」や周りの人に「忖度」したり、「生産性至上主義」「社会の規格」から外れるなど社会構造の中で一人ひとりがそれぞれの感じてきたものだったのではと思いました。これから、私たちはどんな社会を生きて生きたいか改めて考えさせられると共に、今の社会構造の中で苦しみを感じている人やその周囲の人に、この本の中にある、著者の沢山の気づきに触れてもらえたら良いなと感じました。

この本への感想投稿

本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。
は必須項目です。おそれいりますが、必ずご記入をお願いいたします。

(ここから質問、要望などをお送りいただいても、お返事することができません。あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ)







 歳

 公開可   公開不可