ケアしケアされ、生きていく
ケアは「弱者のための特別な営み」ではない。あなたが今生きているのは赤ん坊の時から膨大な「お世話」=ケアを受けたから。身の回りのそこかしこにケアがある。
他人に迷惑をかけていい!弱者のための特別な営みではない。社会の抑圧や呪縛から抜け出して、お互いがケアし合う関係になろう。
第1章 ケア?自分には関係ないよ!(「迷惑をかけるな憲法」
しんどいと言えない
自分自身を取り戻す
面倒な中に豊かさがある)
第2章 ケアって何だろう?(確かに面倒なのだけれど
自分へのケアと他人へのケア
他者へのケアの前に
互いが気にかけあう)
第3章 ケアが奪われている世界(ケアのないわたし
「昭和九八年」的世界
標準化・規格化の「大成功」の陰で
ケアの自己責任化を超えて)
第4章 生産性至上主義の社会からケア中心の社会へ(生産性とケア
責任の共有化で楽になる
共に思い合う関係性
ケア中心の社会へ)
2023.11.08 A.N
私にも6歳の娘がいます。仕事は精神疾患などがある方々の支援員をしています。タイトルに惹かれて読みはじめました。読んだ感想としては、子どもとのやりとりで面倒くさいことがあることがどれだけ大切なのかということに気付かされたような気がします。娘は自分と違う存在であり、面倒くさい=手間をかけてお互いが対話していくことで、娘の存在を受け入れる最大級のメッセージを送れると思うと同時に、自分自身が面倒くさいと思う理由を深堀りしていったら自己理解が深まり生きやすくなるのではと感じました。また、仕事上で支援員として、苦しみに耳を傾けていますが、その苦しみとは著者の言葉を借りると「人に迷惑かけるな憲法」や周りの人に「忖度」したり、「生産性至上主義」「社会の規格」から外れるなど社会構造の中で一人ひとりがそれぞれの感じてきたものだったのではと思いました。これから、私たちはどんな社会を生きて生きたいか改めて考えさせられると共に、今の社会構造の中で苦しみを感じている人やその周囲の人に、この本の中にある、著者の沢山の気づきに触れてもらえたら良いなと感じました。
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