経済学はこう考える

根井 雅弘

なぜ経済学を学ぶのか?

なぜ経済学を学ぶのか? 「冷静な頭脳と温かい心」「豊富のなかの貧困」など、経済学者らは様々な名言を残してきた。彼らの苦闘のあとを辿り、経済学の魅力に迫る。

経済学はこう考える
  • シリーズ:ちくまプリマー新書
  • 748円(税込)
  • Cコード:0233
  • 整理番号:100
  • 刊行日: 2009/01/06
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:128
  • ISBN:978-4-480-68801-9
  • JANコード:9784480688019
根井 雅弘
根井 雅弘

ネイ マサヒロ

1962年宮崎県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。専攻は現代経済思想史。経済学の歴史を丁寧にひもとき、経済学者らが残していった思想や考え方を、多くの読者に伝えつつ、経済学のさらなる発展に努めている。著書に『経済学の歴史』(講談社学術文庫)、『経済学の教養』『ケインズとシュンペーター』(NTT出版)、『現代イギリス経済学の群像』(岩波書店)、『市場主義のたそがれ』『物語 現代経済学』(中公新書)、『経済学のことば』(講談社現代新書)、『入門 経済学の歴史』(ちくま新書)、『経済学はこう考える』『20世紀をつくった経済学』(ちくまプリマー新書)ほか多数。

著者からのメッセージ

経済学者が残した名言[全文を読む]

この本の内容

私たちはなぜ、何のために経済学を学ぶのだろうか?「冷静な頭脳と温かい心」「豊富の中の貧困」など、経済学者たちはこれまで、考えを尽くし、さまざまな名言を残してきた。彼らの苦悩のあとを辿り、経済学の魅力を伝授する。

この本の目次

第1章 冷静な頭脳と温かい心(貧富の差への憤り
経済騎士道の精神 ほか)
第2章 豊富のなかの貧困―ケインズ革命(マーシャルからの「逸脱」
「セーの法則」への挑戦 ほか)
第3章 経済学者にだまされないこと(J.ロビンソンの「主流派経済学」批判
何のための雇用か ほか)
第4章 時流にながされないこと(資本主義と社会主義
ハイエク=フリードマンの思想 ほか)

読者の感想

2009.3.07 夏の雨

 おそらくこの本の読者層であろう、若い人たちにこの書評を書きます。若いみなさんからすれば、私はあなたがたのお父さんと同じか、それよりは少し年上になる、「オジサン」世代になります。▼残念ながら、学校では「経済学」は勉強しませんでしたから、マーシャルやケインズといってもどのような経済学者なのか全くというほど知りません。それでもなんの問題もなく(少しはあったかもしれませんが)、三十年働くことができました。ためしに、みなさんのお父さんにでも聞いてみて下さい。きっと「むにゃむにゃ」って答えるでしょうから。みなさんはそんなお父さんを軽蔑してはいけませんよ。ケインズは知らなくても、お父さんだってお仕事でうんと悩んだりすることはあるのですから。 ▼この本を書いたのは「現代経済思想史を主に研究して」きた根井さんという大学の先生ですが、きっとみなさんのような若い読者にどうすればわかりやすく「経済学の考え方」を伝えようか、苦労されたと思います。でも、根井さんは正直にこんなことも書かれています。「学問の楽しさと同時に難しさも認識してほしい」と。そうです。やはりこの本は難しいです。「オジサン」にも難しかった。▼この本を一冊読んだからといって、「経済学」がわかるということはないと思います。ですから、各章の終わりには参考文献がたくさん載っているので、この本をとっかかりにして、きちんと読むのがいいでしょう。そうすれば、もっと全体像がわかるかもしれません。▼この本で「経済学者にだまされるな」というJ・ロビンソンの言葉が紹介されていますが、その章の中で「たとえ著名な学者や研究者の言うことであっても、それを鵜呑みにすることなく、まず自分の頭で徹底的に考えてみること」(103頁)と、著者の根井さんは書かれています。さりげない記述ですが、ここは「キモ」だと思います。▼若いみなさんにはこの本を読んで「難しかった」で終わるのではなく、自分の頭で「経済」とは一体なんなのかをじっくり考えてもらいたい。折りしも今は「100年に一度」といわれる不況下です。「経済」問題を考える好機です。そして、みなさんの力で、私たちの暮らしが豊かになるよう(豊かとはお金がたくさんあることではありません)、実現させて下さい。
●本のblog「ほん☆たす」http://hontasu.blog49.fc2.com/

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