維新の夢 ─渡辺京二コレクション1 史論

渡辺 京二 著 , 小川 哲生 編集

日本近代の闇を逆照射

半世紀の仕事のエッセンスを集成。1では近代主義と対峙した稀有な思想家・北一輝と宮崎滔天を中心に、日本近代の逆説の構造に迫る。
【解説: 三浦小太郎 】

維新の夢 ─渡辺京二コレクション1 史論
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,650円(税込)
  • Cコード:0195
  • 整理番号:ワ-11-2
  • 刊行日: 2011/06/08
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:512
  • ISBN:978-4-480-09379-0
  • JANコード:9784480093790
渡辺 京二
渡辺 京二

ワタナベ キョウジ

1930年京都生まれ。旧制第五高等学校を経て、法政大学社会学部卒業。評論家。河合文化教育研究所特別研究員。主な著書に『評伝宮崎滔天』(書肆心水)、『渡辺京二評論集成』全四巻(葦書房)、『北一輝』(毎日出版文化賞受賞、ちくま学芸文庫)、『逝きし世の面影』(和辻哲郎文化賞受賞、平凡社ライブラリー)、『江戸という幻景』『アーリイモダンの夢』(ともに弦書房)、『黒船前夜』(大佛次郎賞受賞、洋泉社)、『維新の夢』『民衆という幻像』(ともにちくま学芸文庫)、『女子学生、渡辺京二に会いに行く』(共著、亜紀書房)などがある。

小川 哲生
小川 哲生

オガワ テツオ

1946年宮城県生まれ。大和書房、JICC出版局(現・宝島社)、洋泉社を経て、現在フリー編集者。40年間に企画編集した書籍は400冊になる。

この本の内容

『逝きし世の面影』の著者渡辺京二は、日本近代史の考察に、生活民の意識を対置し、一石を投じてきた思想家である。その眼差しは表層のジャーナリズムが消費する言説の対極にある。本巻には、西欧的な市民社会の論理では割り切ることのできない、大衆の生活意識にわだかまる「ナショナル」なものを追求した「ナショナリズムの暗底」、明治国家への最大の抵抗者としての西郷隆盛を常識的定説から救抜する「逆説としての明治十年戦争」、北一輝と日本近代の基本的逆説の関連を問う「北一輝問題」など、日本近代史を根底から捉え返すことを試みた論考を集成する。

この本の目次

ナショナリズムの暗底
近代天皇制の神話
戦争と基層民―天皇制国家の円環
風土と反権力
北一輝問題
北一輝とアジア的共同主義
岡倉天心とその「アジア」
石光真清とその異郷
権藤成卿における社稷と国家
二・二六叛乱覚え書
カオスとしての維新
小楠の道義国家像
逆説としての明治十年戦争
異界の人―西郷隆盛の生と死
死者の国からの革命家
西南戦争とはなにか
人民抵抗権の狂熱―熊本協同隊
協同隊と中津隊
『翔ぶが如く』雑感

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