有閑階級の理論[新版]
流行の衣服も娯楽も教養も「見せびらかし」にすぎない。野蛮時代に生じたこの衒示的消費の習慣はどう進化したか。ガルブレイスの解説を付す新訳決定版。
流行の衣装や娯楽から高等教育まで、消費とはいわば「他人への見せびらかし」にすぎない―。大量消費社会が到来し、大企業体制が確立しつつあった19世紀末のアメリカ。階級の上下を財力の誇示や見栄の張り合いで示そうとする生活様式を、おもに担ったのが「有閑階級」だ。かれらは、一体いつどのように歴史の舞台に登場し、いかなる進化の過程をへて現代にいたったのだろうか?富が人々の行動に与える影響をあざやかに考察し、文明社会の成り立ちをあからさまに描き出した古典的名著を、ガルブレイスによる詳細な序文を付し、決定版として明快な新訳で送る。
序論
財力の張り合い
衒示的閑暇
衒示的消費
生活の金銭的基準
美的感覚の金銭的基準
金銭文化の表現としての衣装
労働の免除と保守主義
古代の性質の保存
武勇の保存
運頼み
宗教儀式
差別化に無関心な気質の保存
金銭文化の表現としての高等教育
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