日本の経済統制 ─戦時・戦後の経験と教訓
戦時中から戦後にかけて経済への国家統制とはどのようなものであったのか。その歴史と内包する論理を実体験とともに明らかにした名著。解説_岡崎哲二
統制とは、市場の価格機構に何らかの方法で干渉し、その機能を制限することである。日本における経済統制は、世界恐慌による危機的状況への企業の自主対応から生まれた。やがて、日中戦争(日華事変)の勃発、太平洋戦争への突入と戦争が全面化するにつれ、性格を変貌させていく。国家による軍需生産への集中とそれ以外の生産物への介入拡大という、統制が統制を呼ぶ事態のなか、破局へと突き進む日本―。昭和12年(1937)から昭和25年(1950)までの国家統制時代を中心に、名著『昭和史』の著者が経済の動きについて全体像を提示する。戦後の出発を決定づけた戦時中の経験とは何であり、現代に何を教えるのか。
プロローグ 「統制」の経験
1 恐慌と統制
2 日華事変と全面統制の開始
3 太平洋戦争前夜の日本経済
4 太平洋戦争下の統制
5 戦後の経済統制
エピローグ 石油二法の問題点
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