基礎づけるとは何か
より幅広い問題に取り組んでいた、初期の未邦訳論考集。思想家ドゥルーズの「企画の種子」群を紹介し、彼の思想の全体像をいま一度描きなおす。
ジル・ドゥルーズは幅広い問題に取り組んだ哲学者だが、とりわけ初期は多様な問題を論じ、そのうち特別な手ごたえを得たものについて、後年、論を深めていった傾向がある。初期論考5本を精選して新訳。初期ドゥルーズにおける「企画の種子」群をあらためて紹介し、彼の思想の全体像をいま一度描きなおす。高校講義をもとにした「基礎づけるとは何か」、ルソー思想全体に取り組んだ「ルソーについてのソルボンヌ講義」、二つの他者論「女性についての記述」「口にすることと輪郭」、「マゾッホとマゾヒズムについて」を収録する。
1 基礎づけるとは何か―1956‐1957・ルイ=ル=グラン校講義(自然と理性
「基礎すなわち根拠の本質をなすもの」(ハイデガー)
基礎と問い
原理の基礎)
2 ルソー講義―1959‐1960・ソルボンヌ(自然状態についての二つの可能な考え方
『新エロイーズ』について
自然状態
ルソーの著作の統一性
社会契約
ルソーにおける市民の法の観念)
3 女性の記述―性別をもった他者の哲学のために
4 口にすることと輪郭
5 ザッヘル・マゾッホからマゾヒズムへ
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