場所は岡山の古い街、倉敷。ある日会社をやめるなり「私は古本屋になる!」と宣言して、即座に物件探しを始めた若い女性の話。 仙人掌や顕微鏡や苔や亀にも囲まれて、今は倉敷美観地区の外れの小さな古本屋・蟲文庫の帳場にひっそり座る女主人は静かな口調でさまざま話を聞かせてくれる。古書のこと書店のこと、土地の記憶、古い知人の消息、懐かしい猫たちのこと。読めば必ず、店の客となって訪れたくなること請け合いの一冊。
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小説家