山口瞳ベスト・エッセイ
サラリーマン処世術から飲食、幸福と死まで。――幅広い話題の中に普遍的な人間観察眼が光る山口瞳の豊饒なエッセイ世界を一冊に凝縮した決定版。
山口瞳は直木賞作家である。しかし小説ばかりでなく、「週刊新潮」の連載コラム「男性自身」のように、エッセイストとしても優れていた。清水幾太郎の「核の選択」を真っ向から論じた「卑怯者の弁」や向田邦子の事故死を扱った「木槿の花」は、社会的にも大きな話題をよんだ。あわせてサラリーマン社会の切ない日常を過不足なく描き、独自の生活美学を浮き彫りにする。
1 人間通―“偏軒”として生きる
2 昭和の迷宮―漂泊する自画像
3 われらサラリーマン―運・競争・会社人間
4 夢を見る技術―歓びと哀しみと…
5 わが生活美学―人間関係の極意
6 飲食男女―“通”の“通”の弁
7 老・病・死―反骨と祈り
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