三ノ池植物園標本室 上 眠る草原
植物の刺繍に長けた風里が越してきた古い一軒家。その庭の井戸には芸術家たちの悲恋の記憶が眠っていた――。『恩寵』完全版を改題、待望の文庫化!
職場で心身をすり減らし、会社を辞めた風里。散策の途中、偶然古い一軒家を見つけ、導かれるようにそこに住むことになる。近くの三ノ池植物園標本室でバイトをはじめ、植物の標本を作りながら、苫教授と院生たち、イラストレーターの日下さんや編集者の並木さんなど、風変わりだが温かな人々と触れ合う中で、刺繍という自分の道を歩みだしていく―。
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