骨が語る兵士の最期 ─太平洋戦争・戦没者遺骨収集の真実
玉砕、飢餓、処刑――太平洋各地で旧日本軍兵士を中心とする約500体の遺骨を鑑定してきた人類学者は何を見たのか。遺骨発掘調査の最前線からレポートする。
太平洋戦争における日本人の海外での戦没者二四〇万人のうち一一三万人の遺骨がいまだに見つかっていない。太平洋各地で、旧日本軍兵士及び民間人約五〇〇体の遺骨を鑑定してきた人類学者―日本随一の遺骨鑑定人が、現地の島々の発掘調査の現場でいかなるトラブルを乗り越え、骨の特徴分析・DNA鑑定や戦史記録から身元を割り出してきたのか。全ての兵士の帰還を目指して現在も続く調査を、最前線からレポートする。
第1章 幻のペリリュー島調査
第2章 骨を読む
第3章 撃墜された攻撃機―ツバル共和国ヌイ環礁
第4章 玉砕の島々
第5章 飢餓に苦しんだ島々
第6章 終戦後も戦闘が行われた島―樺太
2018.8.10 大石幸子
楢崎修一郎氏が、研究の時間を割いて、太平洋戦争の激戦地の遺骨収集に働いた記述が淡々と語られていて、先の戦争が終戦を迎えて73年経ているにもかかわらず、まだ終わっていないことを痛感しました。また生き残った我々日本人がまだなすべき仕事がこんなに残されていることを今の日本人にあまねく知っていただきたいと思い、私の周りの友人にこの本を推薦しています。歴史に残すべき大切な著作であると力説したいです。
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