loading...

筑摩選書

連帯論

——分かち合いの論理と倫理

定価

2,090

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01732-1

Cコード

0310

整理番号

216

2021/07/14

判型

四六判

ページ数

384

解説

内容紹介

連帯という言葉は、ある意味で時代遅れの手垢にまみれた言葉である。あるいは、連帯という言葉は、時の政治的指導者たちが口にするほどに一般化していて、毒にも薬にもならない平凡な言葉に成り下がっている。しかし、連帯することによってしか解決しえない問題(地球規模の気候変動、貧困や格差の問題、差別の問題等)が、現代社会に山積しているのも事実である。それを有効な概念として使い続けようとするのなら、もう一度彫琢しなければならない――。そのような必要に応えるべく構想されたのが、本書である。まず、連帯の本格的な定義と分類が試みられる。連帯の意味を大きく4つに分類し(社会的連帯、政治的連帯、市民的連帯、人間的連帯)、それぞれの分類について論点を整理しつつ、その現代的な意義を明らかにしていく。そして、連帯が人間にとって必然的であるにもかかわらず衰退しつつあるという時代診断のもと、なぜそうなってしまっているのか、その社会的背景を問い、今後の展望が述べられる。「人間の存在構造としての連帯」というテーゼを打ち出した、本邦初の包括的連帯論。

目次

序章 問題としての連帯
第1章 連帯の類型と定義
第2章 社会的連帯論の系譜
第3章 政治的連帯論の系譜
第4章 市民的連帯の圏域
第5章 現代における展開
第6章 キリスト教の連帯論
第7章 連帯経済とは何か
第8章 人間的連帯と倫理
終章 連帯の限界と未来

著作者プロフィール

馬渕浩二

( まぶち・こうじ )

1967年岩手県生まれ。東北大学大学院博士課程修了。中央学院大学教授。博士(文学)。専攻は、倫理学・社会哲学。著書に、『倫理空間への問い』『世界はなぜマルクス化するのか』(ともに、ナカニシヤ出版)、『貧困の倫理学』(平凡社新書)、訳書に、ハンス・ヨナス『回想記』(共訳、東信堂)など。

本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。

  • [*]は必須項目です。おそれいりますが、必ずご記入をお願いいたします。
  • (ここから質問、要望などをお送りいただいても、お返事することができません。あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ)
  • ※お寄せいただいたご意見・ご感想の著作権は小社へ帰属し、当ホームページや小社出版物に転載させていただく場合がございます。
  • ※ご意見・ご感想への返信はいたしておりません。ご了承ください。

「筑摩選書」でいま人気の本

いま話題の本