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筑摩選書

雇用か賃金か 日本の選択

定価

1,650

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01755-0

Cコード

0333

整理番号

238

2022/10/12

判型

四六判

ページ数

208

解説

内容紹介

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大が世界中に広がり、航空業界は大きな打撃を受けた。各社は突如として過剰な人員を抱えることになった。売上が大幅に減ったなかで、これまで通りに雇用を維持して賃金を払い続ければ会社が潰れる。欧米の航空会社の多くは一時解雇や大規模な希望退職募集を実行した。一方、日本の航空会社はできる限り雇用を守ろうとしていた――しかし、雇用を継続すれば、別の方法で雇用コストを削減しなければならない。「クビか、賃下げか」。この2年間、世界中の航空会社において、労使がこの二極の間でギリギリの調整を行っていた。
本書は、労使関係論の視点から、業界が不況に襲われた際に行われる雇用調整の内実を明らかにする。コロナ禍は、世界各国の航空企業が同時に売上の縮小に見舞われるという未曾有の事態だった。それゆえに、各国の雇用調整のあり方を比較する絶好の機会となった。日本の雇用調整は欧米に比べて遅いと言われるが、今でもそうなのか。それはどのように行われているのか。長期的に、産業構造の転換にともなって人員縮小が起きている百貨店業界も見ながら、日本の雇用調整のあり方を見ていく。

目次

第1章 航空業界の苦境―ANAグループの事例(コロナに立ち向かう
日本の空で何が起きたか
雇用を守るため、賃金を削る
人員の削減)
第2章 リストラの断行―アメリカ、イギリス、ドイツの事例(アメリカ
イギリス
ドイツ)
第3章 雇用を削るか、賃金を削るか―日本と欧米の比較(概念の整理
パンデミック下の賃金調整
雇用政策の影響
雇用調整の速さと規模
需要の戻りに対応できるか)
第4章 長期的な雇用調整―百貨店の事例(出向と転籍の活用
百貨店における雇用維持と出向
長期雇用の光と影)
第5章 働き続けることを保障する社会へ(企業レベルの雇用保障
社会レベルの雇用保障)

著作者プロフィール

首藤若菜

( しゅとう・わかな )

1973年東京都生まれ。立教大学経済学部教授。専攻は労使関係論、女性労働論。日本女子大学大学院人間生活学研究科博士課程単位取得退学、博士(学術)。山形大学人文学部助教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス労使関係学部客員研究員、日本女子大学家政学部准教授などを経て現職。著書に『統合される男女の職場』(勁草書房)、『グローバル化のなかの労使関係――自動車産業の国際的再編への戦略』(ミネルヴァ書房)、『物流危機は終わらない――暮らしを支える労働のゆくえ』(岩波新書)などがある。

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