実証研究 東京裁判 ─被告の責任はいかに問われたか
東京裁判の事実認定がいかになされ、各被告人の責任がどう問われたのかを実証的に解明。東京裁判の国際刑事裁判史上の功績を問い直し、その問題点を検証する。
従来の東京裁判論は、主に政治・外交史を基調とし、また「日本無罪論」で知られるインド代表判事パルやオランダ代表判事レーリンクによる個別反対意見をもっぱら話題とし、本来の東京判決での多数意見を軽視してきた。本書は、東京裁判の事実認定がいかになされ、責任がどう問われたのかを実証的に解明。法廷で適用された責任論や、各被告人に対する判定の根拠を体系的に分析する。判決七五周年に向けて、東京裁判を国際刑事裁判史にどう位置づけて評価すべきか、その功績と問題点とを明らかにする。
第1章 裁判の歴史的文脈と枠組み
第2章 平和に対する犯罪の争点
第3章 日本政府組織論
第4章 戦争犯罪の争点
第5章 「東京判決」―多数派判事による判決
終章 今日の国際刑事裁判にみる責任論
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