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筑摩選書

戦争と西洋

——西側の「正義」とは何か

世界はなぜ、破滅に向かうのか。

第二次世界大戦終結から80年。再び〈世界戦争〉の危機が迫っている。この間に起こった戦争の経緯を分析し、「正義」の戦争が世界に何をもたらすのかを検証する。

定価

1,925

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01823-6

Cコード

0310

整理番号

0305

2025/06/16

判型

四六判

ページ数

272

解説

内容紹介

大戦終結から80年、この間の戦争の経緯を分析し、
「正義の戦争」が世界に何をもたらすのかを検証する。

===
20世紀に世界は二度の全面戦争を経験した。主権国家が並び立つ国際秩序を確立した〈西洋〉が、外部を征服し「世界化」したそのとき、世界中を巻き込む大戦争が起こったのだ。総力戦と化した戦争は核兵器を生み、戦争は人類破滅を招きかねない「不可能」なものとなった。にも拘わらず、世界大戦終結から80年、世界はふたたび全面戦争への傾斜の上に立っている。冷戦終結が世界の平和をもたらすはずではなかったのか? なぜこうなったのかを西洋精神史を参照項に検証する。
===

今、世界には再び「戦争やむなし」の気配が蔓延している。〈世界戦争〉以前のように領土的野心をもつ「帝国主義国」や、独裁者の指導する「侵略国家」が登場しているからと。その「蛮行」を許さないため、「自由な秩序」を守るために、抑止に足る軍事力を備え、戦争の準備をしなければならないと。
世界の動静が、そのように世界戦争以前の状況に戻ったのか、あるいは、〈世界戦争〉が起こったということの真の意味を忘れ、その「恐れ」を拭い去り、再びそれに備えさせることで、「現勢」を維持しようとする政治的・イデオロギー的力学があるのか、その事情を以下の考察で解き明かしてゆきたい。――――――――――――第一章より

目次

第1章 世界戦争とは何だったのか
第2章 戦争と西洋――〈世界戦争〉への道
第3章 「冷戦」の基本構造
第4章 核兵器とは何か
第5章 西洋の次なる「敵」と新しい「正義」
第6章 戦争とメディア
第7章 「テロとの戦争」はいかにして起きたか
第8章 「テロリスト」という非存在
第9章 戦争の「民営化」
[閑話休題]加速する時間の先に
第10章 「アフガン戦争」とは何だったのか
第11章 イラク――「ならず者国家」の市場解放
第12章 文明のための「衛生的」な戦争
第13章 核の恐怖とテロリズム
第14章 ウクライナ戦争が炙り出す〈西側〉の欺瞞
第15章 イスラエル――ガザ攻撃に見るアメリカとの相同性
第16章 ヨーロッパと反ユダヤ主義
第17章 〈世界戦争〉80年後の世界
[付論]2025年初頭、今、アメリカで何が起こっているのか?

著作者プロフィール

西谷修

( にしたに・おさむ )

西谷 修(にしたに・おさむ):一九五〇年生まれ。哲学者。東京大学法学部卒業、東京都立大学フランス文学科修士課程修了。大学院、明治学院大学文学部教授、東京外国語大学大学院総合文化研究所教授、立教大学大学院文学研究科特任教授を歴任。東京外国語大学名誉教授。二〇世紀フランス文学・思想の研究をベースに、グローバルスタディーズ、戦争論、世界史論、クレオール文化などを広く論じる。著書に『戦争論』(講談社学術文庫)、『夜の鼓動にふれる』(ちくま学芸文庫)、『戦争とは何だろうか』(ちくまプリマー新書)、『アメリカ 異形の制度空間』(講談社メチエ)、『私たちはどんな世界を生きているか』(講談社現代新書)など。訳書多数。

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