聞く技術 聞いてもらう技術

東畑 開人

「聞かれることで、ひとは変わる」カウンセラーが教える、コミュニケーションの基本にして奥義。すぐ実践できる、革新的な一冊。

聞く技術 聞いてもらう技術
  • シリーズ:ちくま新書
  • 946円(税込)
  • Cコード:0295
  • 整理番号:1686
  • 刊行日: 2022/10/06
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:新書判
  • ページ数:256
  • ISBN:978-4-480-07509-3
  • JANコード:9784480075093
東畑 開人
東畑 開人

トウハタ カイト

1983年東京生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)・臨床心理士。専門は、臨床心理学・精神分析・医療人類学。白金高輪カウンセリングルーム主宰。著書に『野の医者は笑う―心の治療とは何か?』(誠信書房)『居るのはつらいよ―ケアとセラピーについての覚書』(医学書院)『心はどこへ消えた?』(文藝春秋 2021)『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』(新潮社)など。『居るのはつらいよ』で第19回(2019年)大佛次郎論壇賞受賞、紀伊國屋じんぶん大賞2020受賞。

この本の内容

「聞く」は声が耳に入ってくることで、「聴く」は声に耳を傾けること―。「聴く」のほうがむずかしそうに見えて、実は「聞く」ほうがむずかしい。「聞く」の不全が社会を覆ういまこそ「聞く」を再起動しなければならない。そのためには、それを支える「聞いてもらう」との循環が必要だ。小手先の技術から本質まで、読んだそばからコミュニケーションが変わる、革新的な一冊。

この本の目次

聞く技術 小手先編
第1章 なぜ聞けなくなるのか(届かなかった言葉
社会に欠けているもの ほか)
第2章 孤立から孤独へ(連鎖する孤独
孤独と孤立のちがい ほか)
聞いてもらう技術 小手先編
第3章 聞くことのちから、心配のちから(心に毛を生やそう
素人と専門家のちがい ほか)
第4章 誰が聞くのか(対話を担う第三者
食卓を分断する話題 ほか)

読者の感想

2023.7.12 久森

間違いなく人生でよかった本トップ10に入る本となりました。


人の気持ちを勝手に決めつけて自己責任論を振りかざす人たちが蔓延っている中、この本では「人間とはこんなものだ」と認めた上で、それを諦めるわけではなく非常に現実的な対処法を用いてなんとか社会の助けを借りようとしているのが、非常に共感できました。
本当に先生は人間というものを分かっていらっしゃると感じます。

自分が日頃から感じていることと合致する文章が大量にあり、ピンときたところに付箋を貼っていったら最終的に67個にもなりました。
しかも、一気読みしたとしたらその時のテンションで何でも良く見えていた可能性がありますが、実際には最長で2~3週間くらい間が空いていたにもかかわらず、数行読み進めただけで「これはまさにそうだ」と思える文章に次々と出会っていました。

特にあとがきの「責任の分担」という言葉を見た瞬間、「これだけ自己責任論が蔓延っている世の中にそんな概念があったのか!」と雷が落ちたような衝撃が走り、30分ほど茫然としてしまいました。

また、第三者には3種類あるという話を聞いて、自分はカウンセラーに友人的第三者を求めていたが、実際に受けたのは司法的か仲裁的ばかりだったので10年も噛み合わなかったんだと気づけました。まさに『補助線』を手に入れることができました。

他にも、孤独な人を助けようとすると孤独になるとか、孤立している人は暴力的な声と相部屋になっているとか、聞いてもらうのに必要なのは賢い頭ではなく戸惑う心とか、孤独は連鎖するがつながりも連鎖するとか、時間の流れはつながりがあると薬になるが孤立していると毒になるとか、挙げればきりがないほどに、新しい知見や自分の気持ちを言語化した文章がありました。

このような本を書いていただき、誠に誠にありがとうございます。
文字通り一生の宝にします。

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