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筑摩選書

日本哲学

——世界哲学への貢献

西洋独占主義の呪縛を乗り越え 日本哲学を根源的に問い直す

西洋独占主義の呪縛のなかで構築されてきた日本の哲学は、いかなる特徴をもっているのか。世界規模の対話に開かれた日本哲学の可能性を根源から問いなおす試み。

定価

2,310

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01826-7

Cコード

0310

整理番号

0312

2025/09/16

判型

四六判

ページ数

368

解説

内容紹介

多元的な対話による
世界哲学の新たなパラダイムに向けて
西洋独占主義の呪縛を乗り越え
日本哲学を根源的に問い直す

===
西洋哲学の概念や思考法のみが純粋なものであるという特権的な意識は、いまや世界的に大きな批判に晒されている。西洋独占主義的な哲学観を輸入した日本が、「日本哲学」を再び検討すべき時期がやってきた。アメリカ、日本、ドイツでハイデガーの哲学、現象学・解釈学から仏教思想・京都学派までを幅広く研究し、日本の哲学史を専攻の一つとしてきた著者が、日本哲学とは何かを、定義・内容から深く問い直し、世界規模の対話に開かれた日本哲学がもつ可能性を総合的に考察する。

目次

まえがき

序 章 日本哲学の定義と範囲を再考する

第一章 日本・哲学・とは何か
1 「日本哲学とは何か」と問うことは何を意味しているか
2 近代以前の日本に哲学はあったのか?

第二章 西洋独占主義的な哲学観を問い直す
1 哲学の西洋中心主義と西洋独占主義の問題
2 西洋における絶えざるメタ哲学の議論
3 西洋独占主義的哲学観の生成と終焉
4 迫りくる多元的哲学観へのパラダイム・シフト
5 開放に導く生き方としての哲学
6 非西洋の宗教、芸術、哲学――包摂する暴力と排除する暴力のジレンマを乗り越える

第三章 日本哲学の定義を問い直す
1 日本哲学の競合する諸定義
2 日本哲学についてのいくつかの一般化
3 普遍性への特殊な諸アプローチの集合としての日本哲学
4 世界哲学の対話への貢献としての日本哲学
5 日本における哲学の(主に)部分集合としての日本哲学

第四章 日本哲学の内容を問い直す
1 『オックスフォード・日本哲学への手引き』のトピック選定について
2 『オックスフォード・日本哲学への手引き』概要

終 章 世界における日本哲学、日本における世界哲学

参考文献

解説 世界の思考資源としての日本哲学 中島隆博

著作者プロフィール

ブレット・デービス

( でーびす,ぶれっと )

ブレット・デービス(Bret Davis):1967年米国カリフォルニア州生まれ。現在、ロヨラ・メリーランド大学哲学科教授。トリニティー大学卒業、ヴァンダービルト大学大学院哲学科博士課程修了。博士。大谷大学で仏教思想を、京都大学で日本哲学を、フライブルク大学で現象学および解釈学を研究。関西学院大学非常勤講師などを経て現職。著書Heidegger and the Will: On the Way to Gelassenheit(Northwestern University Press, 2007)、Zen Pathways: An Introduction to the Philosophy and Practice of Zen Buddhism(Oxford University Press, 2022)、The Oxford Handbook of Japanese Philosophy(ed. Oxford University Press, 2020)、『日本発の「世界」思想』(共著、藤原書店、2017年)、『世界のなかの日本の哲学』(共編、昭和堂、2005年)など。

中島隆博

( なかじま・たかひろ )

中島 隆博(なかじま・たかひろ):1964年生まれ。東京大学東洋文化研究所所長・教授。中国哲学・比較思想史を専攻。論文「『荀子』における《正しい言語の暴力とそのほころび》」などで第一回中村元賞受賞。『事典 哲学の木』(講談社)では編集委員を務める。著書に『荘子──鶏となって時を告げよ』『ヒューマニティーズ 哲学』(いずれも岩波書店)、『残響の中国哲学──言語と政治』『共生のプラクシス──国家と宗教』(いずれも東京大学出版会)などがある。

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