はじめに──混迷する政治と市川房枝
Ⅰ 戦前──1893年5月~1931年8月
第1章 生い立ち──時代の流れと運動家の形成
1 幼児期──自主独立の「皇国」の少女
2 師範学校時代──良妻賢母教育に反発
3 小学校の教員、新聞記者をへて──大正デモクラシーへ傾斜
第2章 平塚らいてうとの出会いと別れ、そして渡米
1 東京での生活を始める──平塚との出会いから友愛会婦人部書記まで
2 新婦人協会を立ち上げる──女性の政治的活動の自由を模索
3 二年半のアメリカ生活──参政権を得た女性たちの政治活動を学ぶ
第3章 イエ社会で婦選運動を展開──特殊日本的な保守社会と市川の対応
1 本格的な婦選運動を始動──婦選の二つの目標を開発
2 保守的社会で婦選運動を牽引──運動の二つの戦略を開発
3 婦選運動の到達した地平──運動の全国化とあと一歩の婦人結社権・公民権
Ⅱ 戦時期──1931年9月~1945年7月
第4章 準戦時期・抵抗の実相──反戦活動と切り拓いた市民的活動
1 満州事変と婦選運動の暗転──政党への信頼失墜
2 反戦・反軍拡・反ファッショの主張と活動──平和を愛することは女性の本能
3 婦選運動の新しい展望──三つの市民的活動領域を開拓
第5章 戦時期・転向の軌跡──「婦選の灯」のともし方
1 国民精神総動員運動と市川の係わり方──婦選の「自立」性の維持
2 転向の契機と軌跡──東亜新秩序構想と大政翼賛体制
3 一五年戦争最終段階での戦争協力──効率の良い女性動員の提言
Ⅲ 戦後──1945年8月~1981年2月
第6章 占領期・公職追放──時代の寵児から「格子なき牢獄」の日々まで
1 戦後の混乱の中で──女性参政権はマッカーサーの贈り物?
2 時代の寵児──民主化の流れの中で男性政治の転換を主張
3 公職追放──「格子なき牢獄の日々」をへて新たな決意
第7章 クリーン・ポリティックスの模索──婦選の経験はどう引き継がれたか
1 継承された金権の政治文化──女たちの新たな挑戦
2 理想選挙と公明正大な選挙制度の追求──クリーン・ポリティックスの基盤
3 金権政治のしくみを暴く──クリーン・ポリティックスの闘い①
4 法改正に向けての模索──クリーン・ポリティックスの闘い②
5 落選と理想選挙の展望──超えられなかった壁
第8章 「ストップ・ザ・汚職議員」運動への道──婦選の経験の今一つの展開
1 極限に達した政治献金と経済界の憂慮──政治献金自粛の動きと市川の再選
2 「クリーン三木」の登場──公職選挙法と政治資金規正法の改正
3 「ストップ・ザ・汚職議員」運動を起こす──「政治の流れを変えたい」
第9章 平和と女性の人権──婦選の政治の行き着いた地平
1 戦後憲法と平和をどう守るか──再軍備とアメリカ一辺倒の外交政策に反対
2 第二波フェミニズム運動の流れの中で──良妻賢母の壁を砕く
3 女性差別撤廃条約署名への軌跡──市川のメッセージ
あとがき
主要参考文献
市川房枝略年表