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筑摩選書

伝説の出版社 博文館

近代日本の出版革命史

明治半ばに出現した出版社・博文館はたちまち日本出版界を牽引する一大コンツェルンへと発展した。その革新的なメディア戦術と知られざる文化王国の実像に迫る。

定価

2,200

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01845-8

Cコード

0321

整理番号

0326

2026/03/16

判型

四六判

ページ数

320

解説

内容紹介

明治半ばに彗星のごとく現れた出版社・博文館は、たちまち出版界に革命を起こした。書物を廉価で供給し、魅力的な書籍や雑誌を次々に刊行。世代を超えた広範な読者を獲得するとともに、取次・書店などによる流通ルートを整備した。東京堂書店や共同印刷、博報堂などのルーツともなった一大文化王国・博文館はいかにして築き上げられたのか。貪欲な〈近代読者〉の誕生と、豊穣な文学世界の成立の経緯、そして近代出版業という知的システムの構築過程を総合的に描き出す。

目次

はじめに

序 章 赤手のアントレプレナー
出世街道は僧門/蛙、井から出る/〈米百俵〉の地に学校設立/紙の仕事へ/赤手のアントレプレナー

第一章 出版革命の夜明け──『日本大家論集』
五十歳でリスタート/博文館の旗揚げ/最初の雑誌へ/『日本大家論集』の創刊/"法の外"のヒット/〈言語の写真〉という新兵器/著作権概念の確立を後押し

第二章 戦争特需の写真雑誌──『日清戦争実記』
鹿鳴館の反動/貴顕の保証と大衆の受容/〈三号雑誌〉という逆転の発想/『日清戦争実記』というドル箱/戦時下における報道"戦争"/写真を活かす戦法

第三章 児童文学を創出したカリスマ──『少年世界』
発掘される日本昔ばなし/同志としての〈少年〉読者/メルヘン集の挿絵に魅了/『黄金丸』からの黄金期/『少年世界』を際立たせたもの/小説有害論/メソッドの継承と前金"人質"作戦/文壇の少年屋.児童文学を開墾する/エリート読者のネットワーク/.卒業生.の入門/『少年世界』の〈適齢期〉/『少年世界』という〈学校〉/雑誌の長命・編集の短命/少年と少女との棲み分け/雑誌会の第二維新.少年世界.

第四章 文芸界の新潮流──『文藝倶楽部』
開明の精華『文藝倶楽部』/『文藝倶楽部』というクラブ/文壇の融通府/迷走する創刊日/主張の欠如という功罪/前途多望の好小説雑誌へ/泉鏡花の飛躍/深刻小説の席巻/悲惨小説の悲惨/〈職業作家〉樋口一葉の誕生/まことの詩人という絶賛/海嘯義捐小説の試み/元祖〈季の文学〉・『半七捕物帳』

第五章 巨大なオピニオン・リーダー──『太陽』
雑誌ビジネスへの着眼/世界に通用する視野/雑誌の意識変革/文壇の『太陽』が昇る
まで/諸刃となった多様性/スター編集者の誕生/『太陽』名物となった誌上論争/世代交代と次のステージ


第六章 最高級の趣味雑誌──『新青年』
戦争からの飛躍.再び/戦争から冒険へ/読者と合わせ鏡の編集者/三足わらじの〈冒険〉編集者/冒険から〈探偵〉へ.大正モダニズムの時代/変革期の新青年たちへ/探偵小説気分/〈救世主〉を見出した名伯楽/デパート雑誌

第七章 辞書というベストセラー──『辞苑』
〈節用集〉に倣って/普遍的にして且軽便な中形の辞典/『辞苑』から『広辞苑』へ/読むことから書くことへ/八割五分のシェア//自分史から大日本史へ/歴史の見届け人

終 章 伝説の出版社がもたらしたもの
私設図書館の創設/文運の一助/読書子の浄土/文明時代のノブレス・オブリージュ/流通システムの構築/東京堂の創設/印刷所と洋紙店――博進社、精美堂から共同印刷へ/我国印刷界の偉彩/博文館の遺したもの/知自心百話

あとがき
主要参考文献事項索引
人名索引

著作者プロフィール

堀啓子

( ほり・けいこ )

堀 啓子(ほり・けいこ):1970年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、現在、東海大学文化社会学部教授。専門・日本近代文学、比較文学。著書『日本近代文学入門』(中公新書、2019年)『日本ミステリー小説史』(中公新書、2014年)『和装のヴィクトリア文学』(東海大学出版会、2012年)『新聞小説の魅力』(共著、東海大学出版会、2011年)、『21世紀における語ることの倫理』(共編著、ひつじ書房、2011年)、訳書『女より弱き者』(バーサ・クレー著、南雲堂フェニックス、2002年)ほか。

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