ニーチェ全集13 ─権力への意志(下)
権力とは活動的生命の根源的な力である。ニヒリズムを超える肯定的な価値定立の原理を「権力への意志」に求めたニーチェ晩年の思索の宝庫。
【解説: 原佑 】
権力への意志とは何か。ニーチェの提唱する権力とは超人の理想、ディオニュソス的精神、さらに自由なる精神が発現される源泉としての生命の根源的な力である。権力への意志を偏狭な解釈のうちに閉じこめるのではなく、肯定的な価値として深く純粋に捉え得るかどうかは、われわれ自身の本書全体の理解にかかっているといえよう。ニヒリズムを超える新しい価値定立の原理を権力への意志に求めた晩年のニーチェ。彼が切り開いた未来の哲学の可能性はこの厖大な哲学的断章の森の中に秘められているのだ。本巻には全四書のうち、「第三書 新しい価値定立の原理」および「第四書 訓育と育成」を収録。
第3書 新しい価値定立の原理(認識としての権力への意志
自然における権力への意志
社会および個人としての権力への意志
芸術としての権力への意志)
第4書 訓育と育成(階序
ディオニュソス
永遠回帰)
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