死と狂気

渡辺 哲夫

死者の世界を見失うとき、人は狂気の淵を覗きこむ。民俗信仰も踏まえ、ネオ=ロゴスに解体されゆく精神分裂病者の世界に迫る。
【解説: 芹沢俊介 】

死と狂気
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,210円(税込)
  • Cコード:0111
  • 整理番号:ワ-8-2
  • 刊行日: 2002/08/07
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:288
  • ISBN:4-480-08715-X
  • JANコード:9784480087157

この本の内容

ここに6人の重篤な精神分裂病者がいる。“死”にとりまかれた彼らの狂気を診るにつけ、その病の本質がみえてくる。“死者”を死者たらしめることができないとき、人は狂気の淵をのぞきこむ。翻って、私たちの生は、無量無数の死者たちに支えられ、歴史として構造化される時初めて、主体性を贈与されるのだ。私たちは死者によって生かされている。日本独自な民俗的土着信仰、他界観を規定する死者たちをも射程に入れながら展開するわれわれの精神史の古層からの狂気論。

この本の目次

死と狂気―序にかえて
お盆の思い出
死者と歴史
狂気のなかの死者経験と死の経験
本来の力を獲得する死者
実体化する死者
消滅する死者
他者と言葉と主体
他者の死性
死体を生きる経験
太陽とその死
ネオ=ロゴスの掟
狂気のなかの未来仏
死者の生殖
分断された死体
変身する死体
狂気と土着信仰
死者の発見―結語にかえて

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