不敬文学論序説

渡部 直己

近現代小説が描かなかった〈天皇〉。不可視から見えてくる小説なる欲望形態じたいがはらむ政治・社会性。不在の言説は挑発する。
【解説: 青山真治 】

不敬文学論序説
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,320円(税込)
  • Cコード:0190
  • 整理番号:ワ-9-1
  • 刊行日: 2006/02/08
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:352
  • ISBN:4-480-08963-2
  • JANコード:9784480089632

この本の内容

「何ものかを問題にするさいの鉄則は、その対象を具体的に描くことにある」。この鉄則から見たとき、「天皇」は近現代小説において、その近傍からいかに描写されてきたのか、あるいはこなかったのか。明治・大正・昭和・平成の天皇・皇族の姿を、作中人物として描く小説の系譜(天皇小説)を通し、現実の政治的・社会的な諸力と、小説との間に引き起こされた葛藤、軋轢、抵抗、妥協、共謀などのさまざまな様相をたどる。「この国で小説を書く/読むとはいかなることか」という問いを要に、現代の文学風土になおも仄暗くわだかまるなにものかの正体を、可能な限り明瞭・直截な言説で提示し、渾身の力をもって刎出する。青山真治氏による力作解説を収録。

この本の目次

序文 明治一五年=昭和三五年
第1章 不敬罪と小説
第2章 大逆事件と小説
第3章 民本主義とプロレタリア文学
第4章 戦後天皇小説の群れ
第5章 現代文学のなかの天皇
終章 黙説法の政治学
付論 今日の天皇小説

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