民衆という幻像 ─渡辺京二コレクション2 民衆論

渡辺 京二 著 , 小川 哲生 編集

小さきものの死

生活民が抱く「前近代」と、近代市民社会との軋み。著者生涯のテーマ「ひとりの小さきものの実存と歴史の間の深淵」をめぐる三九編を収録。
【解説: ��山文彦 】

民衆という幻像 ─渡辺京二コレクション2 民衆論
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,650円(税込)
  • Cコード:0121
  • 整理番号:ワ-11-3
  • 刊行日: 2011/07/06
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:528
  • ISBN:978-4-480-09385-1
  • JANコード:9784480093851
渡辺 京二
渡辺 京二

ワタナベ キョウジ

1930年京都生まれ。旧制第五高等学校を経て、法政大学社会学部卒業。評論家。河合文化教育研究所特別研究員。主な著書に『評伝宮崎滔天』(書肆心水)、『渡辺京二評論集成』全四巻(葦書房)、『北一輝』(毎日出版文化賞受賞、ちくま学芸文庫)、『逝きし世の面影』(和辻哲郎文化賞受賞、平凡社ライブラリー)、『江戸という幻景』『アーリイモダンの夢』(ともに弦書房)、『黒船前夜』(大佛次郎賞受賞、洋泉社)、『維新の夢』『民衆という幻像』(ともにちくま学芸文庫)、『女子学生、渡辺京二に会いに行く』(共著、亜紀書房)などがある。

小川 哲生
小川 哲生

オガワ テツオ

1946年宮城県生まれ。大和書房、JICC出版局(現・宝島社)、洋泉社を経て、現在フリー編集者。40年間に企画編集した書籍は400冊になる。

この本の内容

冬の夜、結核療養所で聞こえた奇妙な泣き声。日中衰弱しきって運び込まれた母娘は、朝を待たずに逝った。それを知った著者は、娘の体をさする瀕死の母親のやせた腕を幻視する―「小さきものの実存と歴史のあいだに開いた深淵」、それは著者の原点にして終生のテーマとなった。近代市民社会と前近代が最深部で激突した水俣病闘争と患者を描く「現実と幻のはざま」、石牟礼道子を日本文学に初めて現れた性質の作家と位置付けた三つの論考、大連体験・結核体験に触れた自伝的文章など39編からは、歴史に埋もれた理不尽な死をめぐる著者の道程が一望できる。

この本の目次

小さきものの死
六〇年安保と吉本隆明・谷川雁―大衆像の問題をめぐって
民衆論の回路
義理人情という界域
現実と幻のはざまで
死民と日常
石牟礼道子の世界―講談社文庫版『苦海浄土』解説
石牟礼道子の時空
石牟礼道子の自己形成
山河にかたどられた人間〔ほか〕

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