新・自然科学としての言語学 ─生成文法とは何か
生成言語学のこれまでとこれから
気鋭の文法学者によるチョムスキーの生成文法解説書。文庫化にあたり旧著を大幅に増補改訂し、付録として黒田成幸の論考「数学と生成文法」を収録。
日本ではしばしば「言語学は文科系の学問」と見なされる。言語は人間の本質を担うものであり、それゆえ、近代科学が生まれるはるか以前からその研究は行われてきた。しかし、20世紀最大の言語学者チョムスキーの提唱する生成文法はあくまで近代科学の方法を用いた“自然科学”であり、生成文法を学ぶにはその点の自覚が不可欠である、と著者は言う。生成文法とはどのようなものなのか、そして言語学研究はどこへ向かうのか。言語学入門としてはもちろん、「自然科学とは何か」という問いに向き合う科学論としても興味深い、第一人者による論考集。旧著を大幅に増補・改訂し、新たに付録として黒田成幸氏の論考「数学と生成文法」を収録。
第1章 自然科学としての言語学―生成文法理論とそれを取り巻く知的状況について
第2章 生成文法の目標と方法
第3章 極小モデルの展開―言語の説明理論をめざして
第4章 言語の普遍性と多様性
第5章 日本の理論言語学―教育と研究
第6章 現代言語学の学際性
第7章 言語の基本演算を巡る覚え書
付録 黒田成幸「数学と生成文法」
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