生き方について哲学は何が言えるか
倫理学の中心的な諸問題を深い学識と鋭い眼差しで再検討した現代における古典的名著。倫理学はいかに変貌すべきか、新たな方向づけを試みる。
生き方について哲学がどれほどの道しるべとなりうるかを考察した名著。近代の論証的合理性がわれわれの倫理的思考を損なっているという認識に立ち、道徳哲学の現状が議論される。「人はいかに生きるべきか」。ソクラテスのこの問いかけは、現代世界ではおよそ共通の答をもちえない。生き方についての確信は、知識による確実性や特定の信条への決断ではなく、“自信”の問題として捉えるべきだと著者は説く―。古代ギリシャにおける哲学的思惟の豊かさを再発見し、純粋な理論と先入見に満ちた実践へと分裂した倫理に統合の展望を与える。
第1章 ソクラテスの問
第2章 アルキメデスの支点
第3章 基礎づけの試み―幸福
第4章 基礎づけの試み―実践理性
第5章 倫理学理論のスタイル
第6章 理論と偏見
第7章 言語論的転回
第8章 知識、科学、収斂
第9章 相対主義と反省
第10章 道徳、この特異な制度
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