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内容紹介
ヨーロッパはむろん隣接するイスラム圏や新大陸を含めた全世界に対して、2000年にわたり計りしれない影響をあたえつづけてきたカトリック教会。その組織的・権威的中核となったのがローマ教皇庁であり、歴代ローマ教皇である。十二使徒のなかから選ばれた初代ペトロス(ペテロ)に始まり、ローマ帝国期の教会迫害から公認へという大転換を経て、各国王室に比肩する勢力でありつづけた。本書は歴代教皇に沿って、カトリック・キリスト教全史を追うことができる一冊である。
目次
はじめに
概観
キリストの弟子たちと教会 教皇とは 教皇選挙 教会の機構
1 初代教会時代
ペトロスの使徒職
新約聖書の証言 ペトロスと使徒団
ペトロスとローマ信仰共同体の始め
ローマ信仰共同体 ローマにおけるペトロス ヴァティカンの丘
ペトロスの後継者と使徒伝統
ローマ司教 ローマ教会 教会分裂 迫害の嵐の中で 再洗礼をめぐって 教会一致を求めて 三世紀後半のローマ司教たち 悲運を越えて
コンスタンティヌス転換とローマ信仰共同体
キリスト教皇帝 新しい時代転換 コンスタンティヌス大帝の教会政策 国家と教会 古いローマと新しいローマ
コンスタンティヌス時代のローマ司教たち
アフリカ教会の分裂 皇帝権威によって 教会組織 コンスタンティノープルと新しい状況 アリウス主義 使徒的信仰を守って 教会の自由 コンスタンティノープル公会議
2 ローマ末期の教会時代
教皇職の首位権の形成
パパとパトリアルカ ローマ司教の普遍的首位権 全教会の心配事への責任 ローマ司教とペラジウス主義 ゲルマン諸民族の侵入 エフェソス公会議 ペトロス=岩=教会
レオ大教皇
大教皇 ペトロスの代理者 教会の最高責任者 カルケドン公会議 レオ教皇の勇気と愛
ビザンティン皇帝権の支配の下に
東西両教会分裂 ビザンティンと東ゴート 対立の激化 神の判決 和解のむなしさ 政治の石うす 三項目 ビザンティンからフランクへ
時代転換に立つ大教皇グレゴリウス
世界宣教のヴィジョン 神のしもべたちのしもべ 教皇職の使命と活動 諸民族のカトリック化 アングロサクソンの教化
七世紀の教皇たち
東西の対立 ホノリウス問題 神学と政治のからみ 皇帝権と教会の自由 新しい方向
3 西欧中世初期
教皇とフランク人との連帯同盟
東西の関係 教皇とフランク教会 フランク王国と教皇 フランクへの旅 教皇領カール大帝の出現 フランクフルト国家教会会議
カロリング国家における教皇職
カール大帝の神の国の理想 カール大帝とレオ三世 教皇による皇帝戴冠 カロリング家の兄弟戦争 教皇ニコラウス一世 悲運の死 教皇職の暗い時代 テオフィラクトゥス家の権勢 オットー大帝
教皇とドイツ皇帝
オットー朝皇帝権の下に ザリエル朝皇帝 改革教皇の訪れ ドイツとローマの対立
4 西欧中世盛期
グレゴリウス教会改革時代
神の正義と平和 グレゴリウス七世の信念 カノッサ事件の悲劇 教会改革の推進 ウォルムス平和協定
十二世紀の教皇たち
クレルヴォーのベルナルドゥス時代 フリードリヒ一世 教皇選挙規定
権能を誇る教皇職
若き教皇への期待 教皇職を担って 教皇とフランシスコの出会い 第四ラテラノ公会議 スコラ学の開花
5 西欧中世末期とルネサンス時代
教皇職の栄光と斜陽
アンジュー家の権力の下に 教皇へのあこがれ 教皇職の悲劇の影 『ウナム・サンクタム』 アヴィニョン教皇時代 教皇のローマ帰還 西欧教会大分裂 ピサ教会会議 コンスタンツ公会議 ルネサンスの教皇たち レオ十世とルター
6 近代世界の教皇職
苦悩と希望の中に
信仰分裂時代と教会刷新 公会議決議の実践 三十年戦争 フランス優位時代 国家教会主義時代 教皇職の悲哀 ナポレオンとピウス七世
十九世紀の教皇たち
復古時代とカトリック運動 ピウス九世 第一ヴァティカン公会議 レオ十三世
7 現代の教皇たち
地上に平和を
ピウス十世 ベネディクトゥス十五世 ピウス十一世 ピウス十二世 ヨハネス二十三世 パウルス六世 ヨハネス・パウルス一世 ヨハネス・パウルス二世
参考文献
文庫解説 二十一世紀の宗教を見とおすためのよすが 藤崎 衛
教皇表
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