乙一
( おついち )乙一(おついち):1978(昭和53)年福岡県生まれ。96(平成8)年『夏と花火と私の死体』で第6回「ジャンプ小説・ノンフィクション大賞」を受賞しデビュー。2003(平成15)年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞受賞。『暗いところで待ち合わせ』『ZOO』『失はれる物語』『箱庭図書館』など著書多数、近著に『さよならに反する現象』『大樹館の幻想』『乙一デビュー30周年記念短編集1996-2026』がある。
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デビュー後30年を支えた
実用的創作法と作家生活サバイバル術
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「小説ってどうやって書くの?」「小説家ってどうやったらなれるの?」志願者の誰もがぶつかる問いへの答がこの一冊に。30年使い続けている実用的な創作法、心構え、そして経験に基づく「小説家として生きていくための作法」。あなたにしか書けない、あなただけの物語を書いてみよう。
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自分はもう三十年くらい物語を作る仕事に関わっているのだが、いまだに小説の書き方がよくわからなくなる。新しく執筆を始める時、「小説ってどうやって書くんだっけ?」という気持ちになる。行き当たりばったりに書いたら、めちゃくちゃな作品になるんじゃないかという不安がすごい。だから、いろいろな人が考えた物語の作り方を参考に、執筆前の準備をしっかりとやるようになった。
絵画の世界に、透視図法があるように。
音楽の世界に、和声理論や対位法があるように。
映画の世界に、モンタージュ理論があるように。
小説の世界にも、物語を作るための理論がある。
だけど、おもしろい小説に必要なものは、愛だと思っている。愛というのを、情熱と置き換えてもいいし、感覚と置き換えてもいいし、執着と置き換えてもいい。それらと理論を、バランス良く組み合わせるのがコツだ。
この本は理論を紹介するために書いた。それ以外の、愛や情熱といったものは、すでにあなたの中にあるはずだから、僕から教えられることは何もない。
このように偉そうなことを言っているけれど、実を言うと、僕が物語を作る理論に出会ったのは、作家デビューした後である。最初はそんなものがあるなんて知らなかった。好き勝手に書いた小説がほめられ、新人賞で大賞をとり、【天才現る!】などとおだてられながら、僕は小説家になったのだ。十七歳の時だった。
(「はじめに」より)
第1章 小説家になる
小説を書く理由とは?
小説賞のシステム
勉強したことが小説に使える!
作家デビューその後
第2章 物語のつくりかた
【三幕構成】基礎編
【三幕構成】応用編
物語をグラフで理解する
【起承転結】の注意点
プロットの書き方
第3章 主人公はコウモリ
ほとんど無職の小説家
キャラクター小説とは?
物語とは心が変化する旅である
主人公は欠けている
キャラクター配置で語る
第4章 ストーリーテラー
小説家の暮らし
【説明】と【描写】
流行について考えてみる
神話にかさねてみる

これまで10代のために選ばれる本はほとんどがフィクションでした。しかし「考え続ける力」を身につけるにはノンフィクションが最適です。10代のためのノンフィクションシリーズを作ろう!――そんな思いから生まれたのが「ちくまQブックス」です。
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