村井康彦
( むらい・やすひこ )1930年山口県生まれ。京都大学文学部大学院博士課程修了。専攻は日本古代史・中世史。国際日本文化研究センター名誉教授・滋賀県立大学名誉教授。著書『出雲と大和』『藤原定家「明月記」の世界』『茶の文化史』(以上、岩波新書)、『武家文化と同朋衆』(ちくま学芸文庫)、『王朝風土記』(角川選書)など多数。
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室町時代、足利将軍に仕え、将軍家のサロンにおいて、茶や華、香、室内装飾などを担当した同朋衆。目利きとして活躍した彼らは和歌、連歌、能楽など多くの芸能にも通じ、北山文化、応永・永享文化、東山文化の骨格を築いた。今に伝わる「日本らしさ」を生み出したアートディレクター的集団だったといえるだろう。彼らは能阿弥・芸阿弥・相阿弥など阿弥号を名乗っていたことから、仏教の宗派、時衆との関係が指摘されてきたが、時衆ではない同朋衆もいる。いったい彼らはどこから現れ、どのようにして文化の中心に立ったのか。同朋衆の実像に迫った類のない研究を文庫化。 解説 橋本雄
序論(天文文化論
二つの「一座建立」)
第1部 武家文化の構造(北山殿の唐物数奇
東山殿の芸術生活
同朋衆と阿弥衆
武家文化と同朋衆
付・世阿弥と能
佐渡の世阿弥
能と狂言)
第2部 座敷飾の世界(芸能空間としての書院
座敷飾の成立
『君台観左右帳記』と『御飾書』)
第3部 芸道論の成立(武家と遊楽
伝書の時代
中世芸能の成立と伝授)
第4部 生活の美意識(初期の京焼
京料理と生活文化
蓮月尼)
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