伊藤俊治
( いとう・としはる )1953年生まれ。美術史家/美術評論家。現在、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授。著書に『ジオラマ論』『20世紀写真史』など多数ある。
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写真とは、19世紀後半にはじまった終末と密接な関係を持ち、「人間」という概念の死滅と結びついた、20世紀の黙示録の、ひとつの形式ではなかっただろうかーー。本書は「20世紀の写真史を読む」ことを通じ、写真によって織りなされた「20世紀の感受性=人間という概念の変容を浮かび上がらせた。親本・学芸文庫(1992年重版8刷)と長らく自社定番書であった『20世紀写真史』に、写真誕生200年を迎える2023年にむけた、完全書下ろしの2章(「第7章 粒子化するスペクタクル――ドキュメントとフィクションの新位相1990-2005」「第8章 基層への凝視――歴史の転換とデジタル世界2005-2020」)を増補する。(自社本/単行本1980年・文庫1992年・品切2008年、増補版・文庫340頁1957年以降の収録写真は写真集表紙に差替える)
1 都市と時間の象徴―変わりゆく時空認識一八九〇→一九一〇
2 機械神の幻影―“光の死”とその後の展開一九一〇→一九三〇
3 デザインされるイコン―機能する写真の新しい均衡一九二五→一九四五
4 揺れ動く記録―「主観」と「現実」への眼差し一九四五→一九六〇
5 他者のフィギュア―人間と環境のはざまに一九六〇→一九七〇
6 メディアと死の位相―終末の様々なヴィジョン一九七〇→一九八五
補遺
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