ちくま新書

日本経済の死角
─収奪的システムを解き明かす
河野龍太郎
著
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過去の暗闇に隠れている出来事を発掘しその意味を考えることから歴史探究は始まる。本書は、岩船地蔵と刻まれた一体のお地蔵様の発見から始まる、歴史探索のプロセスを開示したものである。関東甲信・静岡の各地に散らばる地蔵を捜索し、関連の文字資料を発掘する過程で、江戸中期の享保四年(一七一九年)に、下野国の岩舟を出発点にして地蔵が村から村へ送られ、地蔵が通った各地の村に「岩船地蔵」が建立されたことが明らかになる。なぜこのような流行仏が出現したのか。何気ない路傍の地蔵から、歴史と民俗の織り成す豊かな水脈へと読者をいざなう、大人のための実践的歴史入門書。
1章 岩船地蔵の発見
2章 流行神仏と江戸時代
3章 文字の中に探る
4章 岩船地蔵を追う
5章 下野国岩船地蔵
6章 関東の岩船地蔵
7章 信州から甲州、そして駿河へ
8章 非難される地蔵・取り締まられる地蔵
9章 流行神仏の時代
10章 その後の岩船地蔵
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