限界集落の真実 ─過疎の村は消えるか?
消滅しそうな集落など
いったいどこにあるのか?
「限界集落はどこも消滅寸前」は嘘である。危機を煽り立てるだけの報道や、カネによる解決に終始する政府の過疎対策の誤りを正し、真の地域再生とは何かを考える。
高齢化が進み、いずれ消滅に至るとされる「限界集落」。だが危機を煽る報道がなされているのに、実際に消滅したむらはほとんどない。そこには逆に「限界集落」という名付けをしたことによる自己予言成就―ありもしない危機が実際に起きる―という罠すら潜んでいる。カネの次元、ハードをいかに整備するかに問題を矮小化してきた、これまでの過疎対策の責任は重い。ソフトの問題、とりわけ世代間継承や家族の問題を見据え、真に持続可能な豊かな日本の地域社会を構想する。
序 むらは消えるか―東日本大震災を経て
第1章 つくられた限界集落問題
第2章 全国の過疎地域を歩く
第3章 世代間の地域住み分け―効率性か、安定性か
第4章 集落発の取り組み
第5章 変動する社会、適応する家族
第6章 集落再生プログラム
2012.1.15 無名希望
「限界集落」が話題になった2007年。「限界集落」は消滅する危機に瀕しているとのみ喧伝された。どうにかしなければと心ある人々は憂慮した。
現在、2012年。「限界集落」の「流行」から5年後。「限界集落」はどうなったか?懸念通り消滅したか?その実態は?
本書は『限界集落の真実』である。結論からいえば、「限界集落」は2007年の時点で、消滅する危機に瀕していると懸念されてはいたが、ところがどっこい生き残っている。もちろん、限界集落の限界は肌で感じながら、である。
「限界集落」の生き残り方は実に多様である。本書は「限界集落」が流行語化した5年後の現在、「限界集落」は存在し続けていることをデータをもとに証明し、かつ、そのサヴァイヴァルの類型化の提出に成功している。
本書一冊で「限界集落」の現在が概観できる好著。
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