柳宗悦コレクション3 こころ
自我を超える
柳思想の最終到達点「美の宗教」に関する論考を収めたシリーズ最終巻。阿弥陀の慈悲行を実践しようとした宗教者・柳の姿が浮び上がる。
【解説: 阿満利麿 】
たくさんの美しいものに触れ、もの作りの現場に足しげく通った柳は、美を生む上で人間の「自我」が大きな障壁になっていることを確信する。ではどうしたらそれを克服することができるのか…。自我からの解放を説く仏教に若き日から親しみ、苦悩しながらもの作りにたずさわる仲間を持つ柳は、その難しさを痛感していた。思案のさ中、彼の眼に『大無量寿経』の中の一節「無有好醜の願」が飛込む。もはや美醜などない、全てのものは既に救われている、とするその一文を手掛りに、柳はどんな作り手でも「無」の境地に至り、美しいものを生み出すことのできる道を編み出していく。
妹の死
死とその悲みに就て
亡き宗法に
私の念願
美の宗教
美の法門
無有好醜の願
美の浄土
法と美
不二美
仏教美学について
民藝美の妙義
安心について
凡人と救い
無謬の道
伝統の形成
心偈(抄)
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