加藤晋
( かとう・すすむ )1981年生まれ。東京大学社会科学研究所准教授。厚生経済学、公共経済学、平等論を専攻。著書にRationality and Operators(Springer)等。
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スマホやSNSの普及・拡大、ビッグデータ、AIなど、デジタル化の流れが止まらない。私たちの生活は、もはやデジタル化によって条件づけられていると言っていい。こうした中で、デジタル化はこの社会に、そして私たちの生に、いかなる影響を及ぼしている/いくのかを、経済、法、ライフルタイルに照準して探究。具体的には、AIや機械による労働の代替、プラットフォーム企業による個人の生データの「搾取」、自由時間の増大と新たな分断・二極化の進行などが取り上げられ、検証される。その際、ロックやマルクス、ロールズなどの他、アレントの思想、わけても主著の一つ『人間の条件』が参照され、最終章では、デジタル化時代の「人間の条件」が提示される。(1)退避性条件:人間は「活動」から直ちに退出することができる、(2)対等復帰条件:一度退出した「活動」に、対等な立場でいつでも復帰できる――の2つである。中堅4人の社会学者がGoogle ドキュメントを活用し、全ての章にわたって意見交換をし、修正し合うことで完成させた意欲作である。
はじめに―デジタル化していく社会のなかで
第1章 デジタル化する世界を生きる
第2章 デジタル化と経済
第3章 デジタル化と法制度
第4章 デジタル化と不平等
第5章 デジタル化と余暇
第6章 デジタル化時代の倫理
巻末補足「日々の暮らしの価値観・行動に関するオンライン調査」の概要
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