敗者としての東京 ─巨大都市の隠れた地層を読む

吉見 俊哉

江戸=東京は1590年の家康、1868年の薩長軍、1945年の米軍にそれぞれ占領された。「敗者」としての視点から、巨大都市・東京を捉え直した渾身作!

敗者としての東京 ─巨大都市の隠れた地層を読む
  • シリーズ:
  • 1,980円(税込)
  • Cコード:0325
  • 整理番号:
  • 刊行日: 2023/02/15
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:四六判
  • ページ数:352
  • ISBN:978-4-480-01768-0
  • JANコード:9784480017680
吉見 俊哉
吉見 俊哉

ヨシミ シュンヤ

一九五七年生まれ。東京大学大学院情報学環教授。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。専門は社会学・文化研究。著書『夢の原子力』(ちくま新書)、『ポスト戦後社会』『親米と反米』『大学とは何か』『トランプのアメリカに住む』(以上、岩波新書)、『「文系学部廃止」の衝撃』『大予言』『戦後と災後の間』(以上、集英社新書)、『天皇とアメリカ』(集英社新書、テッサ・モーリス‐スズキとの共著)など多数。

この本の内容

富と人口が集中し、世界最大規模を誇る都市、東京。だがこの都市は、少なくとも三度、占領されてきた。一五九〇年の家康、一八六八年の薩長連合軍、一九四五年の米軍によってである。凹凸をなすこの都市の地形と結びつきながら、過去の「敗者たち」の記憶は、歴史的な地層をなしてきた。縄文の古代から現代までを視野に入れ、地球史的視座と家族史的視座とを往還しながら、江戸=東京に伏在する「敗者たち」の記憶の水脈を探り当て、「勝者」であり続けようとする令和の東京とは異なる可能性を探求した、比類なき「江戸=東京」論!

この本の目次

東京とは何か―勝者と敗者のあいだ
第1部 多島海としての江戸―遠景(クレオール的在地秩序
死者の江戸、そして荘厳化する外縁)
第2部 薩長の占領と敗者たち―中景(彰義隊の怨念とメモリー・ランドスケープ
博徒と流民―周縁で蠢く敗者たち
占領軍と貧民窟の不穏―流民の近代をめぐる眼差し
女工たちは語ることができるか)
第3部 最後の占領とファミリーヒストリー―近景(ニューヨーク、ソウル、東京・銀座―母の軌跡
学生ヤクザと戦後闇市―安藤昇と戦後東京
「造花」の女学校と水中花の謎―山田興松とアメリカ進出
原風景の向こう側―「都市のドラマトゥルギー」再考)
敗者としての東京とは何か―ポストコロニアル的思考

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