わかりやすいはわかりにくい? ─臨床哲学講座
思考にもっと肺活量を!
人はなぜわかりやすい論理に流され、思い通りにゆかず苛立つのか――常識とは異なる角度から哲学的に物事を見る方法をレッスンし、自らの言葉で考える力を養う。
ひとはなぜ、自由が拡大したのに不自由を感じ、豊かな社会になってかえって貧しさを感じるのか―現代人は、このようなパラドックスに気づき、向き合い、引き受けねば幸福にはなれない。「自由」「責任」の本質は何か。「弱さの力」とは何なのか。哲学の発想から、常識とは違う角度からものを見る方法を、読者とともに考える。人々と対話し思索を深める“臨床哲学”を実践してきた著者が、複雑化した社会のなかで、自らの言葉で考え、生き抜いていく力をサポートする。
問いについて問う―意味について
こころは見える?―ふるまいについて
顔は見えない?―人格について
ひとは観念を食べる?―生理について
時は流れない?―時間について
待つことなく待つ?―ホスピタリティについて
しなければならないことがしたいこと?―責任について
所有できないものしか所有できない?―自由について
同じになるよりすれ違いが大事?―コミュニケーションについて
できなくなってはじめてできること?―弱さについて
憧れつつ憎む?―家族について
未熟であるための成熟?―市民性について
わかりやすいはわかりにくい?―知性について
2012.7.06 GREG
臨床哲学の基礎を学べるとともに、新しい領域特有の熱気が伝わってくる良書です。内容・構成ともに大学の授業で教科書と使うのにも適しています(わたしは担当する「人間学」で、「教科書らしくない教科書」として採用しています――幸い学生さんにも好評です)。
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